- 2025/11/01 掲載
利下げでFRB信認揺らぐ恐れ、インフレリスク残存=米カンザスシティー連銀総裁
[ワシントン 31日 ロイター] - 米カンザスシティー地区連銀のシュミッド総裁は31日、高インフレが継続し、物価圧力が経済に広がりつつある兆しが見られる中で利下げを実施すれば、物価安定に対する連邦準備理事会(FRB)の信認が損なわれる恐れがあると考え、今週の決定会合で利下げに反対票を投じたと述べた。
FRBは28─29日に開催した連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%ポイントの利下げを決定。決定は10対2で、シュミッド総裁は金利据え置きを主張し、利下げに反対票を投じていた。
シュミッド氏は利下げに反対した理由を説明する文書で、個人消費や設備投資が堅調であることを踏まえると、労働市場に弱さがあるとすれば、基調的な需要の問題ではなく、むしろ技術革新や人口動態の構造的変化が要因になっている可能性が高いと指摘。「政策金利を0.25%ポイント引き下げても、労働市場で見られているストレスに対応する効果は大きくないと考えている」とし、FRBが掲げる2%の物価目標へのコミットメントに疑いが生じれば、利下げによるインフレに対する影響が長引く恐れがあるとした。
その上で、カンザスシティー地区連銀が管轄する中西部の企業はコスト増と持続的なインフレに広範な懸念を示しているほか、経済指標でも財(モノ)とサービスの双方でインフレが横断的に広がっていることが示されていると指摘。「経済には引き続き勢いが見られている」とし、インフレはなお高すぎるため、経済全体の物価圧力を和らげなくてはならないとの考えを示した。
労働市場については「おおむね均衡している」としたほか、足元の政策スタンスについては「わずかに引き締め的」との見方を示した。
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