• 2025/11/06 掲載

米AmazonがPerplexity AIを提訴「AIエージェントが不正に買い物を代行」

AIエージェントがユーザー代理で実行するオンライン活動の権利が焦点

ビジネス+IT

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米EC大手Amazonは、2025年11月5日(米国時間)に、AIスタートアップPerplexity AIに対して訴訟を起こした。報道によれば、訴状はカリフォルニア北部地区連邦裁判所に提出されており、Perplexityが同社のAIブラウザ「Comet」を通じて、Amazonの顧客アカウントへ無断アクセスを行い、自動化された買い物代行を“人間のブラウジング”と偽装して実施したと指摘している。

Amazon側は、こうしたツールの利用が、長年培ってきたパーソナライズされた購買体験を損なうだけでなく、プラットフォームの信頼性やデータ安全性にも重大なリスクをもたらすと主張している。

これに対し、Perplexity AIは直ちに反発し、Amazonの訴訟は「消費者の選択肢を制限する大企業による圧力」であると批判。「当社は利用者のログイン情報を自社サーバーに保存せず、ツールはユーザー端末上に情報を保持している」として違法行為の主張を否定している。

背景には、ECサイトがAIエージェントの自動操作を受け入れるかどうかという、新興領域ならではの制度的・倫理的な争点がある。Amazon側は、「第三者アプリケーションが他社のプラットフォーム上で購入を代行する場合には、透明性を持ち、事前の合意を得るべきだ」と主張している。

一方、PerplexityAIは「より容易な買い物は利用者の利益になる。Amazon側が嫌がるのは広告収益やアップセルに絡む既存ビジネスモデルを守るためだ」と反論しており、技術革新とプラットフォーマーの支配力を巡る構図が浮かび上がっている。

この訴訟は、生成AI・エージェント技術がオンラインサービス上でどのように振る舞うべきか、そのルールづくりが追いついていない現状を反映している。Amazonは「Perplexityが当社プラットフォームに明確に拒否された状態で侵入を続けている」として、ツールの使用停止と法的措置を求めている。

今後の焦点として、裁判の結果だけでなく、AIエージェントがユーザー代理で実行するオンライン活動がプラットフォームの規約・サービス条件・ユーザー保護とどう調和するか、またそれに伴う消費者選択・データ権利・イノベーション促進とのバランスが問われている。Amazon vs Perplexityの行方は、今後のAIツールとプラットフォームの関係を占う試金石となる。

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