- 2025/11/22 掲載
FRB、12月利下げ巡り温度差 NY連銀総裁は含み 慎重論も根強い
一方、数人のFRB当局者らは利下げに慎重な考えを改めて鮮明にし、12月の利下げを巡りFRB内で見解の乖離が根強いことが浮き彫りとなった。
ウィリアムズ総裁は21日、FRBの金融政策について「緩やかに引き締め的だと考えている。このため、政策スタンスを中立の範囲に近づけ、FRBの2つの責務のバランスを維持するため、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジを近い将来にさらに調整する余地があると考えている」と述べた。
物価情勢については、インフレ進展の「一時的停滞」を認め、インフレを「2%の長期目標まで持続的に回復させることが不可欠」と指摘。雇用市場は軟化しているとの見方を示し、9月の失業率が4.4%と、新型コロナ禍以前の「労働市場が過熱していなかった時代」に匹敵する水準に上昇していると指摘。FRBは「最大雇用の目標に過度のリスクを与えることなく」インフレ目標を達成する必要があると語った。
ウィリアムズ総裁の発言を受け、金融市場では12月の0.25%ポイント利下げの確率が60%近くに高まった。
一方、ボストン地区連銀のコリンズ総裁は、経済が底堅く推移する中、FRBの金融政策は適切な位置にあるとし、12月会合での追加利下げの必要性について懐疑的な見解を示した。
コリンズ総裁はCNBCのインタビューで、インフレの現状を踏まえると「引き締め的な政策が現時点では非常に適切だ」とし、追加利下げについては「躊躇(ちゅうちょ)」すると語った。
ダラス地区連銀のローガン総裁も、現行政策が経済にどの程度の抑制効果を及ぼしているか見極める間、FRBは政策金利を「当面の間」現行水準に据え置く必要があるとの考えを示した。
総裁は「すでに2回の利下げが実施されていることを踏まえると、インフレが想定以上のペースで低下するか、労働市場が一段と速いペースで冷え込んでいることを示す明確な証拠がない限り、12月のFOMCで追加利下げを決定するのは難しい」と語った。
コリンズ総裁は今年のFOMCで投票権を持つ。ローガン総裁は今年の投票権はないが、2026年に投票権を持つ。
こうした中、過去2回の会合で0.50%ポイントの大幅利下げを主張し、0.25%ポイント利下げに反対票を投じてきたミランFRB理事は、12月会合で利下げと現状維持を巡りぎりぎりの決定となるのであれば、「間違いなく0.25%ポイント利下げに賛成票を投じる」と断言。「さもなければ、虚栄心のために経済に悪影響を与えることになる。私はそのような人間ではない」と述べた。
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