• 2025/11/28 掲載

AI需要急増でメモリー不足懸念、Dell や HP がコスト上昇の波及を警告 メモリ/ストレージ逼迫の現状

大規模AIモデルの学習・推論を支えるデータセンターの急増が要因、サーバー用途向けのDRAMが大幅に枯渇

ビジネス+IT

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AIの急激な普及に伴い、世界的にDRAMやNANDストレージの供給がひっ迫し、メモリ価格が高騰。PCメーカーや消費者向けPCのコスト増加を警告する声が相次いでいる。DellやHPを含む業界を巻き込む「メモリ不足」の深刻化が明らかになっている。
近年、大規模AIモデルの学習・推論を支えるデータセンターの急増によって、DRAMやNANDフラッシュといったメモリ/ストレージ需要が急拡大している。これにより、サーバー用途向けのDRAMが大幅に枯渇し、スポット市場ではDDR5 DRAM価格が急騰。2025年にはDDR5の供給不足が深刻化し、「メモリ不足(Memory Shortage)」が現在進行中だ。



このメモリ不足のあおりを受け、PCメーカー大手のHPは2025年第4四半期決算で、今後の収益見通しがアナリスト予想を下回る可能性を示した。主な理由として、AI対応PCの増加に伴うメモリ需要の急拡大と、それに伴うメモリ価格の上昇を挙げている。HPの最高経営責任者(CEO)は、メモリコストの高騰が今後業績の重荷になると語った。

特に注目されるのは、AI 向けサーバーだけでなく、一般消費者や企業向けPCにも影響が及んでいる点だ。データセンターによる大量購入でDRAMやSSDの供給が優先されるため、従来のノートPCやデスクトップも必要なメモリやストレージを確保しづらくなり、製品価格の上昇や納期の長期化が懸念されている。

また、AI用途向けに高性能な「高帯域幅メモリ(HBM)」や大容量DRAMを求める需要が増えているが、これらは従来型メモリの生産能力を圧迫するため、全体として供給ひっ迫と価格上昇が長期化する可能性がある。複数の半導体メーカーやアナリストは、この傾向が少なくとも2026年以降も続く見通しを示している。

さらに、こうしたメモリ/ストレージ不足の「余波」は、単なるPC価格の上昇にとどまらない。中小企業を含む幅広い層でIT機器の調達遅延やコスト増が発生する可能性が指摘されており、AIは社会・経済のインフラコストそのものを押し上げる構造変化をもたらしている。

総じて、AIブームが半導体メモリ市場に「供給のひずみ」を引き起こしており、それがPCメーカーや消費者へのコスト転嫁、さらにはITインフラ全体のコスト上昇に波及する可能性がある。Dell や HP の警告は、AI急拡大というテクノロジーの波が裏でインフラ供給に与える影響を示す重要な警鐘である。

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