- 2025/12/02 掲載
OpenAI、対Googleで非常事態(Code Red)宣言、AI開発競争で逆転か?
対GeminiでChatGPT の性能・ユーザー体験の抜本改善を最優先にするよう指示
ビジネス+IT
この「非常事態宣言」は、OpenAI が直面する競争の激化を裏付けるものである。WSJ によれば、特に Google が最近リリースした新バージョンの AI モデル(Gemini)が、業界のベンチマークテストで OpenAI を上回った結果、Google の株価が急騰し、OpenAI に大きなプレッシャーを与えている。ひいては、かつて OpenAI が主導していた生成AI競争における優位性が揺らぎつつあると報じられている。
また、OpenAI はユーザー基盤の強さを維持しつつあるものの、収益化およびコスト構造の面でなお挑戦を抱えている。報道によれば、OpenAI は2025年の売上高を前年比で大幅に伸ばす見通し(約 127 億ドル)としているが、一方でデータセンターや人材、研究開発のコストが膨張しており、キャッシュフローの黒字化には時間がかかるとの見方がある。
さらに、単なる性能競争だけではなく、コストパフォーマンスやインフラ・エコシステムとの統合、広告やエージェント機能の拡充といった“応用領域”での競争が激化しており、単独のベンチマークだけでは見えない企業間の立ち位置の変化が生じていると複数メディアが指摘している。
OpenAI 内部では、ChatGPT の改善にあたって毎日チームが連携し、応答の改善や安定性、拡張性向上に取り組む体制が敷かれていると報じられる。これは、かつて ChatGPT の登場によって Google が「Code Red」を宣言したように、今や OpenAI 自身が「追われる側」になったことを意味している。
こうした措置は、2022年以降の生成AI戦争における「優位 → 危機」の転換を象徴しており、AI市場における力関係が再編されつつあることを示している。特に、性能だけでなく収益性・スケーラビリティ・エコシステムへの組み込みといった多角的な競争軸が、今後の勝敗を左右する可能性が高い。
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