- 2025/12/04 掲載
ロイターネクスト:投資適格企業の起債、来年増加 AI投資とM&Aで=銀行幹部
[ニューヨーク 3日 ロイター] - 大手ハイテク企業による人工知能(AI)への投資や、活発なM&A(合併・買収)により、来年は投資適格級企業による債券発行額が増加する見通しだ。銀行幹部らが3日にニューヨークで開催された「ロイターネクスト」のパネル討論で述べた。
バークレイズの債券資本市場グローバル責任者メーガン・グレイパー氏は、米国のテクノロジー企業上位5社の資金調達ニーズは、2026年には約1000億ドルに達する可能性があるとの見方を示した。
大手テクノロジー企業は、AIに対応したデータセンターを建設する競争の中で、積極的に債券市場に向かっている。
資金調達を伴う可能性のあるM&Aが多数控えていることも発行額を押し上げる重要な要因となりそうだ。現在、投資適格企業の間で発表されている案件は1750億ドルに上り、前年同期の750億ドルから2倍以上に増加している。
モルガン・スタンレーの債券資本市場担当グローバル・ヘッド、アニッシュ・シャー氏は、プライベート・エクイティ(PE=未公開株)ファンドの活動が活発化すると予想している。
PEファンドは投資先企業の売却と新規株式公開(IPO)を同時に進めるデュアルトラック戦略を実行できるようになったため、保有資産を市場に投入することに対して自信を深めていると指摘した。PEファンドが計画しているIPOは、新型コロナ流行後で最高水準に達していると述べた。
銀行幹部らは、大規模ハイテク企業やAI企業の間で循環型資金調達が行われる可能性について、投資家は懸念していないとの見方を示した。
JPモルガン・チェースの投資適格金融部門グローバル共同責任者マーク・ベニュレス氏は、データセンター向け融資について「われわれが融資する案件については、融資は実在する資産に裏付けられている」と語った。
シャー氏は、債券を発行する企業はキャッシュフローを高度に分散しているとし、「これらの企業の投資は、事業全体から見れば非常に小さなものだ。システミックリスクはないと考えている」と述べた。
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