- 2025/12/16 掲載
NY市場サマリー(15日)重要指標控え株下落、金利低下 ドル/円小幅安
主要通貨に対するドル指数は0.09%安の98.318となった。
ドルは対円で0.31%安の155.345円。日銀は19日まで開く政策決定会合で利上げに踏み切るとの見方が大勢で、来年初めに米連邦準備理事会(FRB)が予想通り利下げを決定すれば、円のドルに対する通貨の魅力が高まるとみられる。
アレクサンドラ・カンター氏率いるゴールドマン・サックスのアナリストらは投資家向けメモで、「当社のエコノミストは、日銀が12月会合で利上げを行うとの基本シナリオに転じた」と言及。(日銀の)ガイダンスが短期的な方向性を決定付ける鍵となるとの見方を示した。
英ポンドは0.12%安の1.33645ドルと、取引序盤の上昇分を帳消しにした。
一方、ユーロは不安定な取引の中で上昇し、0.06%高の1.174775ドルと、4営業日連続で上昇する見通しとなった。欧州中央銀行(ECB)とイングランド銀行(英中央銀行)は、18日に金融政策決定を行う。市場はECBは金利を据え置き、英中銀は利下げを実施するとの見方を織り込んでいる。
マネーコープのトレーディングストラクチャード商品部門責任者ユージン・エプスタイン氏は「現時点では、2026年の中銀の金利政策に関して、米国とG10諸国の大半は真逆の方向に進んでいる。米国では、FRBが追加利下げまでどれくらい待つかが問題となっている一方、先進国の大半では、中銀が利上げ開始までどれくらい待つかが問題となっている」と述べた。
ドルはスイスフランに対して0.16%高の0.79725フラン。
スウェーデンクローナは対ドルで0.48%高の9.3009クローナ。ドルはノルウェークローネに対しては0.34%高の10.1582クローネとなった。スウェーデン国立銀行とノルウェー国立銀行は、今週の政策決定会合で金利を据え置くと予想されている。
暗号資産(仮想通貨)のビットコインは2.56%安の8万6205.11ドル。イーサリアムは4.72%安の2936.89ドルとなった。
NY外為市場:[USD/J]
<債券>国債利回りが低下した。投資家は今週発表される11月米雇用統計と消費者物価指数(CPI)待ちの姿勢を示している。連邦政府が43日間にわたり閉鎖されていたためデータの空白が生じており、米国の経済見通しを巡る不確実性が高まっている。政府発表がない中、投資家は民間の雇用指標に注目した。
ジャニー・モンゴメリー・スコットのチーフ債券ストラテジスト、ガイ・ルバス氏は「特に11月の雇用統計に対する懸念はやや和らいでいるようだ。米連邦準備理事会(FRB)の次の政策決定までにもう1回雇用統計が得られるため、今回の雇用統計はそれほど重要ではないということも理由の一つかもしれない」と指摘している。
2年債利回りは2.5ベーシスポイント(bp)低下し3.506%となった。指標となる10年債利回りは1.4bp低下して4.182%だった。
2年債と10年債の利回り格差は約1bpスティープ化して67bp。
フェデラルファンド(FF)金利先物トレーダーは、FRBが1月27─28日の会合で利下げを行う確率をわずか22%と見積もっており、次回の利下げは4月になる可能性が高いとみている。
ただルバス氏は、これらの確率はデータ次第で急速に変化する可能性があると指摘している。
米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は12日、トランプ米大統領は来年5月に任期が切れるFRBのパウエル議長の後任に、ケビン・ウォーシュ元FRB理事か米国家経済会議(NEC)のケビン・ハセット委員長を起用する方向で検討していると報じた。
一方、CNBCは15日、ハセット委員長に対し、トランプ大統領に近い筋から議長指名に対する反対意見が出ていると報じた。
米金融・債券市場:[US/BJ]
<株式>下落して取引を終えた。週内に発表される一連の経済指標を見極めたいというムードが広がったほか、金利見通しを巡り手掛かりを得ようと米連邦準備理事会(FRB)当局者の発言や次期FRB議長候補に関する報道に関心が集まった。今週は雇用統計や小売売上高、消費者物価指数(CPI)などの経済指標が相次いで公表される。BMOファミリーオフィスのキャロル・シュライフ最高投資責任者は「市場は人工知能(AI)関連株のみに資金を集中させたくないという点と、まだ十分なデータを得られていないという点で、相場のけん引役を見いだすのに苦戦している」と指摘。「今週発表の雇用統計がさらなる利下げを支持する内容になるかどうか、市場は固唾をのんで見守るだろう」と述べた。次期FRB議長の最有力候補とされる米国家経済会議(NEC)のハセット委員長について、トランプ大統領に近い筋から議長指名に対する反対意見が出ているとの報道も意識された。
米ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は15日、FRBは先週決定した利下げを受け、今後の状況に対応できる良い位置にあるとの見解を示した。FRBのミラン理事は、FRBの2%目標を上回る現行のインフレ率は根本的な需給動向を反映していないとの認識を示した。
S&P総合500種の主要11業種のうち8業種が上昇。ヘルスケアが上げを主導した一方、情報技術は下げが目立った。 サイバーセキュリティーのサービスナウが11.5%下落。新興企業アーミス買収に向けた交渉が進んだ段階にあると伝わった。 電気自動車(EV)大手テスラは3.5%高。助手席に監視員を乗せない状態でロボタクシー(自動運転タクシー)の試験運転を行っているとイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が述べた。 連邦破産法11条の適用を14日に申請したロボット掃除機「ルンバ」製造のアイロボットは72.7%急落した。 ニューヨーク証券取引所では値下がり銘柄と値上がり銘柄が1対1の比率。ナスダックでは値下がり銘柄が値上がり銘柄を1.76対1の比率で上回った。 米取引所の合算出来高は171億3000万株。直近20営業日の平均は171億株。
米国株式市場:[.NJP]
<金先物>ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、雇用や物価に関する米経済指標の発表に注目が集まる中、3営業日続伸した。
ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁が「ここ数カ月、雇用の下方リスクが高まった」とした一方で、「インフレは高すぎる」との認識を表明。これを受けて米金利が上向きに転じると、利子を生まない金の投資妙味が薄れ、相場は一時マイナス圏に沈んだ。ウクライナ和平実現に向けた協議の進展が伝わったことも、安全資産である金の手じまい売りを促した。
取引終盤は小動き。今週は政府機関閉鎖の影響で遅れていた雇用統計や消費者物価指数(CPI)など重要な経済指標の発表が予定されており、結果待ちで様子見ムードが強かった。
NY貴金属:[GOL/XJ]
<米原油先物>ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は3営業日続落した。米国産標準油種WTIの中心限月1月物は前週末清算値(終値に相当)比0.62ドル(1.08%)安の1バレル=56.82ドルと、中心限月清算値ベースでは2021年2月初旬以来、約4年10カ月ぶりの安値水準に落ち込んだ。
ロシアによるウクライナ侵攻の終結に向けた和平案を巡り、米高官は15日、懸案に関して「90%は解決した」と語った。ウクライナ和平を巡る協議が合意に至れば、欧米諸国の対ロ制裁が解除され、ロシア産原油が市場に流入するとの懸念から、原油相場が売られた。また、中国鉱工業生産が昨年8月以来の低い伸びとなり、国際市場が来年供給過剰に陥るとの懸念がくすぶる中で、中国からのエネルギー需要減速に警戒感も広がった。
NYMEXエネルギー:[CR/USJ]
ドル/円 NY午後4時 155.23/155.
28
始値 154.90
高値 155.39
安値 154.84
ユーロ/ドル NY午後4時 1.1750/1.17
52
始値 1.1748
高値 1.1768
安値 1.1739
米東部時間
30年債(指標銘柄) 16時48分 96*16.00 4.8476%
前営業日終値 96*11.00 4.8580%
10年債(指標銘柄) 16時48分 98*18.50 4.1763%
前営業日終値 98*13.50 4.1960%
5年債(指標銘柄) 16時48分 98*31.25 3.7278%
前営業日終値 98*28.00 3.7500%
2年債(指標銘柄) 16時48分 99*24.13 3.5057%
前営業日終値 99*22.63 3.5310%
終値 前日比 %
ダウ工業株30種 48416.56 -41.49 -0.09
前営業日終値 48458.05
ナスダック総合 23057.41 -137.76 -0.59
前営業日終値 23195.17
S&P総合500種 6816.51 -10.90 -0.16
前営業日終値 6827.41
COMEX金 2月限 4335.2 +6.9
前営業日終値 4328.3
COMEX銀 3月限 6358.9 +158.2
前営業日終値 6200.7
北海ブレント 2月限 60.56 ‐0.56
前営業日終値 61.12
米WTI先物 1月限 56.82 ‐0.62
前営業日終値 57.44
CRB商品指数 295.4963 ‐2.7936
前営業日終値 298.2899
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