- 2026/03/11 掲載
東電経営、続く綱渡り=他社提携も成否見通せず―東日本大震災15年
東京電力福島第1原発事故から15年、賠償や廃炉作業を続ける東京電力ホールディングス(HD)の経営は、今も綱渡りのままだ。柏崎刈羽原発(新潟県)は再稼働したが、収支改善効果は小さい。他社との提携構想も打ち出し、ビジネスモデルの転換を目指すが、成否の行方は見通せない。
「必要であれば企業の形を変える」。東電HDは1月26日、新たな経営再建計画「第5次総合特別事業計画」を公表。小早川智明社長は記者会見で、再建への決意を示した。
計画によると、東電HDは外部資本の受け入れを念頭に他社との連携を強化。溶け落ちた核燃料(デブリ)の本格的な取り出しを控え、廃炉の想定費用の増加も見込まれる中、提携で新規事業に必要な資金や技術の確保につなげたい考え。
また、今後10年間で約3.1兆円のコストを削減。3年以内に株式などの資産を2000億円規模で売却する方針も打ち出した。
東電HDは、原発事故の賠償に無限責任を負う。経営破綻を防ぐため、政府は2012年7月に1兆円出資して実質国有化。筆頭株主の原子力損害賠償・廃炉等支援機構が一時的に費用を肩代わりしている。想定される事故関連費用は総額23兆4000億円で、東電には年5000億円程度の費用捻出が求められている。
しかし、主力の電力販売は新電力に顧客が奪われ、原発の安全対策やデータセンター向けの送配電網整備などの費用もかさむ。24年度の設備投資は震災後最高額となる8674億円に達し、脱炭素などの新規投資に取り組む余裕はない。
ある幹部は「廃炉などの費用も払えなくなってくる。今のままだと『ゾンビ企業』になってしまう」と危機感をにじませる。
原発の「最大限活用」にかじを切った政府の後押しもあり、今年1月、東電の原発としては事故後初めて柏崎刈羽6号機を再稼働。今月18日に営業運転を始める予定だ。年約1000億円の収支改善を見込むが、負担には及ばない。
他社との提携を巡り、東電HDは「日本の電力事業をけん引する野心的な計画であること」などの条件を設けた上で、今月末を期限に事業計画案を募っている。ただ、巨額の負債を抱える実質的な「国営企業」との協業はハードルも高そうだ。
【時事通信社】
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