- 2026/03/13 掲載
中東紛争で航空貨物運賃急騰、南アジア─欧州70%高 インフレ圧力に
[13日 ロイター] - 米国とイスラエルによる2月末のイラン攻撃以降、航空貨物運賃が大幅に上昇している。湾岸地域の海上輸送遮断、中東空域の規制、ジェット燃料の高騰が主な要因で70%も上がった路線もある。企業のコスト負担はやがてインフレ圧力となって消費者を苦しめることになる。
紛争開始以降、ジェット燃料価格は2倍に跳ね上がった。海運大手マースクは今週、自社の航空貨物サービスで燃料サーチャージと戦争リスク賦課金を導入すると発表した。
紛争による輸送への影響が最も大きいのは、中東を通る南アジア─欧州路線。貨物予約・決済プラットフォームのFreightosによると、南アジアから欧州へのスポット(随時契約)航空貨物運賃は、紛争開始直前の1キログラム=2.57ドルから4.37ドルへと70%急騰。南アジア─北米は58%上昇、欧州─中東は55%上昇した。Freightosの調査責任者ジュダ・レバイン氏によると、南アジアからの航空貨物は通常、多くが湾岸地域のハブを経由するが、一部が東アジア経由に迂回を迫られたという。
輸送価格設定プラットフォーム、Xenetaの航空貨物部門責任者ニール・ファン・デ・ワウ氏は「運賃上昇の主因は燃料価格よりも、中東ハブの輸送能力の劇的な減少だ」と指摘する。
香港キャセイパシフィック航空のロナルド・ラム最高経営責任者(CEO)は11日の決算会見で、欧州行きの貨物便の多くが通常ドバイで給油と追加貨物の積み込みを行っているが、情勢を踏まえ、ドバイで給油せず、欧州へ直行で運航していると述べた。途中で給油できないため、積載量を制限していると説明した。
インドから欧州、アフリカ、中東向けのジェネリック(後発)医薬品の輸送は通常、船で輸送するが、ペルシャ湾の通航に支障が生じたため航空輸送に切り替えられている(インドの医薬品サプライチェーン専門家)という。
こうした輸送手段の変更はインフレ圧力になる。物流ソフトウエア企業インフィオスのチーフサプライチェーンストラテジスト、スティーブ・ブロウ氏は「顧客は海上輸送から航空輸送に変更しているが、航空運賃は通常5倍から10倍と極めて高額で、輸送能力の逼迫がコストを押し上げている」と述べた。
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