- 2026/04/01 掲載
アングル:短観が示すインフレリスク 物価見通し上振れ 4月利上げ支援の見方
[東京 1日 ロイター] - 1日発表の3月日銀短観で企業の物価見通しが引き上げられたことで、市場では日銀の4月利上げをサポートする材料だとの声が上がっている。中東情勢の緊迫化による原油価格上昇の影響を十分に織り込まない中でも物価見通しが引き上げられたことは、インフレリスクの高まりだとの指摘がある。日銀では、短観の発表前から物価見通しに注目する声が出ており、物価上振れリスクへの警戒感をさらに高める可能性がある。
企業の物価見通しは昨年12月調査では変化がなかったが、今回は上方にシフトした。1年後は前年比プラス2.6%(12月調査ではプラス2.4%)、3年後と5年後はともにプラス2.5%(前回はともにプラス2.4%)となった。3年後と5年後は2014年以降の最高を更新した。
SBI新生銀行の森翔太郎シニアエコノミストは「企業のインフレ期待が上振れつつある」と指摘。日銀の4月利上げを支持するデータだとみている。
日銀によると、今回の短観には中東情勢の緊迫化の影響は十分には織り込まれていない。それでも物価見通しが引き上げられた背景には、円安や投入コスト、人件費の上昇など、様々なコスト上昇圧力が高まっていることが影響しているとみられる。
企業の仕入れ価格判断DIが引き上げられる一方で、販売価格判断DIも先行きも含めて引き上げられ、企業の価格転嫁に向けた意欲も示された。野村証券の岩下真理エグゼクティブ金利ストラテジストは、日銀が賃金と価格転嫁の動向を注視していることを踏まえ、販売価格判断が現状だけでなく先行きも引き上げられた点に注目している。「イラン情勢を織り込んでいなくても、結構インフレリスクがあることが示された」と話す。
3月の金融政策決定会合の「主な意見」では、原油価格の高騰で基調的な物価上昇率が上振れるリスクを警戒し、利上げ継続に前向きな意見が相次いだ。SBI新生銀の森氏は、中東情勢の緊迫化に伴う原油高で「先行きのインフレ期待が一段と上振れるリスクがある」と話す。
野村証の岩下氏は、3月会合後に日銀がコア指標の拡充などを矢継ぎ早に発表したことで「4月利上げを視野に、日銀の理論武装は整っている」と指摘。原油高や円安が続くことで「物価上振れリスクを強調して利上げするのではないか」とみている。
農林中金総合研究所の理事研究員、南武志氏は、短観を見る限り利上げに向けて動き出してもおかしくないとする一方、スタグフレーションリスクがある中では拙速な利上げは経済の流れを止めてしまいかねないと指摘。次の利上げは9月から10月にかけてではないかとみている。
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