- 2020/08/27 掲載
コロナ禍で従来以上に金融システムの安定重要=鈴木日銀委員
午前の懇談会でのあいさつで、鈴木委員は低金利の長期化で金融機関が厳しい収益環境に置かれていると強調した。[nL4N2FT0WL]
会見では金融機関の信用コストについて「金融機関の経営者や実務担当者に聞いても、極めて予測は難しい」とする一方、新型コロナの影響が長期化すれば信用コストに上昇圧力が掛かると警戒感を示した。
その一方で「金融機関の副作用軽減のために利上げが必要か」と質問されると、「日銀の金融政策は金融機関の経営のために行っているのではない」と発言。重要なのは効果と副作用をいっそう慎重に検討していくことであり「利上げは全体感からして理屈がおかしくなる」と述べた。
鈴木委員は、新型コロナの感染拡大を受けて3月以降に日銀が打ち出した政策が「効果を発揮している」とコメント。経済の現状は「(7月の)展望リポートの判断から大きくずれているということはない」と述べた。当面は感染症の影響を注視し、必要があれば躊躇(ちゅうちょ)なく追加緩和を行うと話した。
午前のあいさつで、鈴木委員は2%の物価目標について「感染症により物価目標に向けたモメンタムはいったん損なわれ、金融緩和の一層の長期化が想定されることになった」と述べた。会見では「新型コロナ感染症の影響が軽減されていくに従って経済が回復し、物価も再びモメンタムが生まれて目標に向けて動いていくことが期待できる」と指摘、2%の物価目標を変更する必要があるとは考えていないと述べた。
(和田崇彦 編集:内田慎一)
最新ニュースのおすすめコンテンツ
PR
PR
PR