- 2020/12/11 掲載
午後3時のドルは104円付近、ユーロや豪ドルの強さ目立つ
ドル/円 ユーロ/ドル ユーロ/円
午後3時現在 103.99/01 1.2153/57 126.41/45
午前9時現在 104.17/19 1.2141/45 126.49/53
NY午後5時 104.20/23 1.2136/40 126.51/55
午後3時のドル/円は、前日NY市場午後5時時点に比べ、ドル安/円高の104円付近。欧州中央銀行(ECB)の理事会を経た東京市場では、ユーロや豪ドルの強さが目立ち、ドルは主要国通貨のなかで最弱だった。円も対欧州通貨や資源国通貨で売られ、ドルの次に弱い通貨となった。
ドルは朝方国内勢の売りに押され103.92円まで下落。しかし、103.65/70円付近のテクニカルなサポートが意識され下げ止まった。
ユーロは朝方一時1.2160ドルまで上昇し、4日に付けた2年8カ月ぶり高値1.2177ドルに迫った。ユーロ/円は126.28円から126.60円まで上昇した。
ユーロ高の原因は「ECBのラガルド総裁が、踏み込んだユーロ高けん制をしなかったこと」(外為アナリスト)にあるという。
ラガルド総裁は10日、「われわれは為替レートを目標に掲げているわけではないが、とりわけユーロ高が重要な役割を果たし、物価に下落圧力を及ぼすことは明白だ」と述べた。
しかし、総裁がより強い言葉でユーロ高をけん制をすると警戒していた市場では、発言を受けて、逆にユーロ買い安心感が広がった。
ユーロ高は輸入財の価格を押し下げ、インフレ率を低下させる効果がある。さらに、低インフレはユーロ圏の実質金利を押し上げるため、一段のユーロ高を招きやすい。
ECBは前日、パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)の規模を1兆8500億ユーロに拡大するなど、量的緩和(QE)の拡大に踏み切った。
しかし、QEの拡大によってインフレ率が上昇しないことは日本で既に実証済みだ。
一方で、実質金利を低下させる効果があるマイナスの政策金利の深掘りは、金融セクターの不安定化につながるため、ECBは後ろ向きだ。
ユーロ高を抑制する政策が手詰まりとなるなか、「ECBは金融政策の戦略見直しに既に着手しているが、悠長に構えている。こうした次の手の出し惜しみは、その間のユーロ高を助長するだけだろう」と三井住友銀行のチーフストラテジスト、宇野大介氏は述べ、次のユーロ/ドルのターゲットを1.25ドルとした。
豪ドル/円は78円後半と昨年4月以来の高値を更新した。
鉄鉱石価格の上昇などが豪ドル高の背景とされるが、「日本勢の買いが目立っている」(証券)ことも関心を集めている。
(為替マーケットチーム)
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