- 2020/12/12 掲載
ホタテがお買い得=コロナ禍で輸出不振、国内価格が値下がり
刺し身やすしねたのほかシチューやグラタンなど、冬の定番メニューでも多く使われるホタテが今年は値下がりしている。新型コロナウイルス感染拡大の影響で好調だった海外輸出が落ち込み、国内の流通量が増えたため。高値続きだったここ数年から一転して、スーパーなどで特売されるケースも多く、店頭で人気を集めている。
東京・豊洲市場(江東区)には今年、生きた殻付き貝のほか、むき貝柱、冷凍貝柱などのホタテ類が1月から10月末までの累計で約3700トン入荷。過去5年間の同期間の平均より約3割も増え、11月以降も同様の状態が続く。増加の理由について卸会社は「コロナ禍で、これまで好調だった輸出が減り、その分が国内市場へ回ったため」と説明している。
貿易統計によると、ホタテ類の今年の輸出数量は、10月末現在で6万3000トンと昨年やおととしの同時期より2割近く減少している。数量の減少に加え「好条件で取引していた中国や欧米向けの輸出が悪化した」(北海道の出荷業者)ことで輸出の単価も昨年を大幅に下回り、産地にとっては痛手となっている。
国内の取引価格も値下がりしており、豊洲市場などではこの8月以降、ホタテ貝柱の生や冷凍物の卸値は昨年比2~3割下落。12月上旬の首都圏スーパーの小売価格は、刺し身用解凍貝柱が100グラム当たり250~350円と昨年より2割以上安い。
割安感から量販店では、日替わりの目玉商品として特売しているほか、中には高級すし店などが仕入れる生の貝柱をお手頃価格で提供する店も現れた。この師走は上質なホタテをお得に食べられる絶好の機会といえそうだ。
【時事通信社】 〔写真説明〕輸出の不振から国内の供給量が増えて値下がりしている国産ホタテ=11日
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