- 2020/12/28 掲載
今年の米ファンド、運用成績トップはテック株と仮想通貨関連
全般的に高リスク資産で運用したファンドが好成績を残した。最も高いリターンを挙げたグレースケール・イーサリアム・トラストは仮想通貨イーサリアムに投資し、年初から12月9日までのリターンが333.7%となった。
在宅勤務が増える中でテクノロジー企業も好調だった。運用成績2位のバンク・オブ・モントリオール・ミクロセクターズ・FANG+3X・レバレッジドETNと3位のバンク・オブ・モントリオール・ミクロセクターズ・FANG+2X・レバレッジドETNのリターンはそれぞれ301.9%と201.9%となった。いずれも米フェイスブックやネットフリックスなど「FANG」と呼ばれるテクノロジー株にレバレッジをかけて投資した。
レバレッジを活用しなかったアクティブファンドではARKイノベーションETFが143.8%と最も高いリターンを挙げ、141.4%のアメリカン・ビーコンARKトランスフォーメーショナル・イノベーション・ファンドと139.7%のモルガン・スタンレー・インスティテューショナル・ディスカバリーがこれに続いた。
モーニングスターによれば、米国株ファンドの成績上位10本のほぼ全てが組み入れ銘柄を50以下に絞った集中投資型で、一部では資産の10%超を単一銘柄に投資するケースも見られた。
CFRAのETF・投信調査部門トップ、トッド・ローゼンブルース氏は「運用会社が一握りの成長銘柄に大きく賭けてフルスイングすれば、ホームランを狙えるが三振するかもしれない」と語った。
最も成績が振るわなかったのは石油・ガス関連株ファンドでダイレクション・デーリーS&P石油・ガスE&P2X・ETFはリターンがマイナス97.3%、ダイレクション・デーリー・ジュニア・ゴールド・マイナーズ・ベア2X・ETFはマイナス95.5%だった。
アクティブ運用した株式ファンドではハイランド小型株ファンドがマイナス51.1%と最大の落ち込みとなった。
コア中期債券ファンドで運用成績トップはアメリカン・ファンズ・ストラテジック債券ファンドでリターンは17.7%。米国債の組み入れ比率が約43%とベンチマークに沿った運用を行うファンドの2倍となっている。
逆に最も低調だったのはパットナム・モーゲージ・セキュリティーズAファンドでリターンにトップと約18%ポイントの差がついた。同ファンドは現金がおよそ半分を占め、米国債の割合は1%以下だった。
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