[東京 21日 ロイター] - 日銀は21日に公表した「経済・物価情勢の展望」(展望リポート)で、国内の景気について、新型コロナウイルス感染症の影響から引き続き厳しい状態にあるが「基調としては持ち直している」との判断を示した。海外経済は一部で感染症の再拡大の影響がみられるものの、輸出や生産は「増加を続けている」と指摘。企業収益や業況感は大幅に悪化した後、徐々に改善しているとした。
2020年度の実質国内総生産(GDP)の政策委員見通しの中央値は前年比マイナス5.6%で、前回10月のマイナス5.5%からわずかに引き下げられた。21年度の見通しについては、政府の経済対策効果などを見込み、前回のプラス3.6%からプラス3.9%に引き上げられた。
先行きの見通しは新型コロナの帰すうや内外経済に与える影響の大きさによって変わり得るため「不透明感が極めて強い」と指摘。リスクバランスは感染症の影響を中心に「下振れリスクの方が大きい」とした。