- 2021/01/22 掲載
花王、多様で繊細な肌の質感を評価・可視化する「肌評価AI」を開発
今回の研究成果は、日本視覚学会2021年冬季大会(2021年1月20~22日・オンライン開催)にて発表しました。
■背景
人は、肌の色・質感などのわずかな違いを瞬時に読み取り、顔や肌の印象を感じ取ります。花王は、肌を美しく魅せるメイクアップ化粧品を提供するため、これまで見た目の肌印象を評価するさまざまな手法を開発し、化粧品開発に応用してきました。しかし、多様で繊細な肌印象の違いを人の目と同じレベルで評価することは難しく、また特殊な装置を必要とするため測定が容易ではないという課題がありました。
■"肌パッチ"画像を学習する「肌評価AI」
画像解析に強いとされるディープラーニングは、顔画像を入力すると年齢などを予測するAIを構築できることが知られています。花王は、ディープラーニングのモデルに、年齢ではなく「素肌らしさ」など肌のさまざまな見た目印象を評価するように学習させることで、「肌評価AI」を構築できるのではないかと考えました。
しかし、このAIには、顔画像のどこを見て判断しているかがわからないという欠点があります。AIは、入力された画像全体から、線、点、角度、周波数などさまざまな情報を抽出し、複雑な計算を繰り返して、最終的な評価結果を導き出しますが、花王は、そのAIの評価が髪、眉、唇など肌以外の情報に影響されている可能性を懸念しました。そこで、肌以外の要素を極力排除するため、顔全体ではなく、もとの顔画像から小領域を切り出した画像"肌パッチ"を用いる方法を検討しました。
関連コンテンツ
PR
PR
PR