• 2021/01/25 掲載

日銀、円高で「未踏の領域」=ETFの購入開始―10年下半期議事録

時事通信社

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日銀は25日、2010年7~12月に開かれた金融政策決定会合の議事録を公表した。米国経済の減速懸念に伴う急速な円高の進行に追い込まれ、10月会合では上場投資信託(ETF)などを買い入れる「包括金融緩和」の検討を開始。日銀の金融政策はここから、現在の大規模緩和につながる、中央銀行として「今まで踏み込んでいない領域」(白川方明総裁=肩書は当時、以下同=)に突入した。

当時は米国で08年の金融危機からの経済回復が足踏みし、欧州財政不安もくすぶっていた。安全資産とされる円が買われ、日本経済には「過度に悲観的な雰囲気」(中村清次審議委員)がまん延。日銀は10年8月30日の臨時会合で追加緩和を決定、9月15日には6年半ぶりの為替介入も行われたが、事態は好転しなかった。

10月4、5日の会合では、景気や物価の下振れに対する警戒感が一段と高まっていた。「平時ではないという発想は必要」(野田忠男審議委員)、「新たな領域に手段を拡張すべきだ」(西村清彦副総裁)。危機感を募らせた日銀は事実上のゼロ金利政策とともに、ETFや上場不動産投資信託(J―REIT)などを購入する5兆円規模の基金を新設すると表明。12月に買い入れが始まった。

中銀が損失リスクのある株式などの資産を買い入れるのは極めて異例。政界や市場から強い緩和圧力がかかる中、「呼び水として(株式など)リスク資産の需要、供給が増え、お金の巡りが良くなる」(須田美矢子審議委員)ことを狙った。

包括緩和の表明を受け、同日の東京外国為替市場では円相場が一時1週間ぶりの安値水準となる1ドル=84円目前へ下落した。しかし緩和効果は長続きせず、翌11年の東日本大震災もあって日本経済は長期低迷に苦しむことになる。

【時事通信社】 〔写真説明〕記者会見する日本銀行の白川方明総裁(当時)=2010年10月5日、日銀本店

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