- 2021/03/24 掲載
IMF、SDR増強の正式案を6月までに提示へ=専務理事
SDRの新規配分により、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)で打撃を受けている加盟国は債務負担を増やすことなく流動性を大幅に増強できると指摘。加盟国によるコロナ対策の財源確保やワクチン接種プログラムなどの緊急措置も支援することになるとした。
23日の理事会では、IMFスタッフがSDR増強案を策定することについて「幅広い支持」を得られたとした。
「SDRの新規配分は全ての加盟国に恩恵をもたらし、世界的なコロナ危機からの復興を支えることになる」と強調。「世界大恐慌以来の大幅な景気後退を乗り越えるためにIMFメンバーがあらゆる手を尽くす覚悟だという強力なメッセージにもなる」とした。
SDRの新規配分は、世界金融危機下の2009年に承認された2500億ドルの配分以来となる。ゲオルギエワ氏によると、IMFスタッフはSDRの使用について透明性と説明責任を高める新たな措置を考案し、先進国が低所得国にSDRを再配分する仕組みも検討する見通し。
正式な提案が承認されれば、年内にSDRの新規配分が行われるとみられる。
ゲオルギエワ氏は1年前からSDR新規配分の必要性を訴えてきたが、トランプ前政権下の米国の強い反対に遭った。
ただ、バイデン政権のイエレン財務長官が条件付きで支持を表明したのを受け、主要7カ国(G7)と20カ国・地域(G20)も最近、賛成の立場を示した。イエレン氏は23日の議会証言で、SDR増強によって貧困国は世界経済の回復を阻害し得る政策を回避できるようになるため、米国の国益にかなっているとの見解を示した。
SDRの配分によって、高水準の債務を抱えるアルゼンチンはIMFに対する返済不履行を回避できるとみられる。
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