- 2021/03/24 掲載
英CPI、2月は前年比+0.4% 予想外の鈍化
ロイターがまとめた市場予想は0.8%だった。
衣料品の価格が前年比で2009年以降最大の落ち込みを記録したほか、中古車の価格も低下した。
ONSのジョナサン・アソー氏は「新型コロナウイルス流行の影響で、通常の季節的なパターンに混乱が生じた。例年2月は衣料品が値上がりするが、今年は衣料品の値下がりが2月のインフレ緩和に寄与した」と述べた。
統計発表後、ポンドは対米ドルで小幅に下落した。
2月の衣料品・靴の価格は、前月比で2007年以降初めて下落。前年比では5.7%低下と、2009年11月以降で最大の低下を記録した。新型コロナの流行に伴う広範な値下がりが背景。
イングランド銀行(英中央銀行)は、インフレ率が今年上半期に目標の2%に向けて急激に上昇すると予想。原油高、家庭向けエネルギー料金の値上げ、その他の一時的な要因を理由に挙げている。
変動の大きい食品・エネルギーを除く2月のコアCPI上昇率は前年比0.9%で、前月の1.4%を下回った。
ONSが同時に発表した2月の生産者物価指数(PPI)は、前年比2.6%上昇。PPIはCPIの先行指標とされる。
<今後はインフレ進行か>
大半のエコノミストはインフレの進行を予想している。
INGのエコノミスト、ジェームズ・スミス氏は「4月以降、インフレの総合指数は急上昇するだろう。エネルギー価格が一因だ。ガソリン価格は、比較対象となる前年同月の水準が新型コロナ前の水準ではなくなる。また、家庭用エネルギーの上限価格規制の関連で9%の値上げが可能になる」と述べた。
ただ、インフレが進行して、目標の2%をやや上回っても、中銀は利上げを開始しないとの見方は少なくない。
英国では、政府の雇用支援策の失効で年内に失業が増えると予想されており、今後1-2年、賃金・物価に下押し圧力がかかるとみられている。
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