- 2021/03/30 掲載
イタリア、21年のGDP予測を4.1%増に大幅引き下げへ
21年と22年のGDP見通しはともに、成長率が両年とも4%を下回るとみる欧州連合(EU)の行政執行機関の欧州委員会、国際通貨基金(IMF)、イタリア中央銀行のそれぞれの予想を上回る。
20年に第二次世界大戦以降最大の落ち込みとなる8.9%減を記録したイタリア経済は、依然として新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)の影響で低迷している。新型コロナ感染の第3波を抑制するために大半の地域が封鎖措置を導入したままだ。1日の新規感染者数は約2万人。これまでの死者数は約10万8000人と、世界で7番目に多い。
最新のGDP見通しは4月中旬までに公表される経済財政文書(DEF)に含まれる。DEFは22年度予算の枠組みとなり、欧州委に提出してから承認を得る。
関係筋によると政府は見通しに関して協議を続けており、公表前に変わる可能性もある。また、この見通しは政策が現状のままであることを想定しており、イタリア政権が来月公表する予定の追加刺激策の効果を勘案していない。このため、最終的な成長目標はもっと野心的な内容となると関係筋は話した。
さらにEUの基金から2000億ユーロ(約2353億4000万ドル)超を調達する計画であり、これもイタリアの経済回復を助けると指摘した。
イタリア経済は過去20年間にわたって欧州の同盟国を下回り続け、GDP目標をずっと達成できずにいる。前回4%を超える成長を記録したのは1980年代後半にさかのぼる。
財務省当局者はロイターに対して今月、経済を支えるために政府支出を繰り返し引き上げることで2021年のイタリアの財政赤字は対GDP比で10%弱となり、20年の9.5%から上昇するとの見通しを示した。
この予測はDEFにも掲載され、前回予想の8.8%から修正される。
追加の借入金により、イタリアの巨額の公的債務はさらに増加する。イタリアの公的債務はユーロ圏でギリシャに次いで2番目に高く、昨年はGDP比で155.6%相当に達した。
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