- 2021/04/13 掲載
米国株は、ダウが55ドル安、CPIや企業決算の発表待ち
ダウとS&P総合500種は前週、米10年債利回りの低下を背景に上昇し、9日に終値で最高値を付けていた。
13日に発表される3月CPI統計を受けて国債利回りは上昇する可能性がある。また、今週は米銀大手の決算発表も控えており、市場に新たな材料が提供される見通しだ。
OANDAのシニア市場アナリスト、エド・モヤ氏は「投資家は決算シーズンに注目するだろう。企業からガイダンスが示される時期であり、バリュエーションも再び重要になり始めているからだ」と指摘。「ここ数カ月の取引のように、何でも買えばいい訳ではないという緊張感がある」と語った。
米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は11日、米経済は成長率や企業の採用ペースが向こう数カ月で加速すると見込まれる一方で、拙速な経済再開が新型コロナウイルス感染再拡大につながるリスクもあるという「転換点」に立っているとの認識を示した。
リフィニティブのIBESデータによると、S&P500種採用企業の第1・四半期決算は前年比25%の増益が見込まれている。これはトランプ前米政権の減税措置が企業の利益拡大につながった2018年以来の大幅な増益率となる。
第1・四半期決算シーズンは14日発表の米銀大手ゴールドマン・サックス、JPモルガン・チェース、ウェルズ・ファーゴの決算で幕を開ける。
12日の取引では金融セクターと一般消費財セクターが最高値を付け、米経済活動の再開を背景にした両セクターへの信頼感が示された。
OANDAのモヤ氏は「これらの銀行は、自社株買いや配当金支払いなど通常の状態に戻ろうとしており、楽観的な見方が強まっている。米国債利回りの見通しを踏まえると、米銀の業績見通しも改善するだろう」と指摘した。
S&Pの主要11セクターでは通信サービスとエネルギーの下げが目立った。
個別銘柄では電気自動車(EV)大手テスラが3.7%上昇。カナコード・ジェニュイティが同社の投資判断を「バイ」に引き上げたことが好感された。
半導体大手エヌビディアは5.6%高。同社は同業インテルに対抗するサーバープロセッサーチップを製造すると発表した。
マイクロソフトが買収すると発表したニュアンス・コミュニケーションズは16%の大幅高となった。マイクロソフトは、人工知能(AI)や音声認識技術を手掛ける同社を197億ドルで買収する。
米取引所の合算出来高は90億株と低調だった。直近20営業日の平均は116億株。
ニューヨーク証券取引所では値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を1.08対1の比率で上回った。ナスダックでは1.84対1で値下がり銘柄数が多かった。
終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード
ダウ工業株30種 33745.40 -55.20 -0.16 33775.06 33786.19 33665.54
前営業日終値 33800.60
ナスダック総合 13850.00 -50.19 -0.36 13854.44 13877.00 13783.95
前営業日終値 13900.19
S&P総合500種 4127.99 -0.81 -0.02 4124.71 4131.76 4114.82
前営業日終値 4128.80
ダウ輸送株20種 14969.58 +51.25 +0.34
ダウ公共株15種 892.01 +0.34 +0.04
フィラデルフィア半導体 3258.33 -36.20 -1.10
VIX指数 16.91 +0.22 +1.32
S&P一般消費財 1419.30 +7.85 +0.56
S&P素材 504.22 +1.58 +0.31
S&P工業 852.86 +2.89 +0.34
S&P主要消費財 711.11 +3.19 +0.45
S&P金融 586.42 +2.54 +0.43
S&P不動産 253.55 +1.38 +0.55
S&Pエネルギー 360.91 -3.44 -0.94
S&Pヘルスケア 1376.24 +0.68 +0.05
S&P通信サービス 250.43 -1.52 -0.60
S&P情報技術 2478.92 -12.07 -0.48
S&P公益事業 329.73 +0.23 +0.07
NYSE出来高 8.23億株
シカゴ日経先物6月限 ドル建て 29640 + 60 大阪比
シカゴ日経先物6月限 円建て 29620 + 40 大阪比
(S&Pセクター別指数は関連コンテンツでご覧ください; リフィニティブデータに基づく暫定値です。前日比が一致しない場合があります)
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