- 2021/04/19 掲載
英金融監督当局、「レグテック」利用拡大へ業界の取り組みに期待
ロンドンの金融街「シティー」の行政を担う「シティー・オブ・ロンドン自治体」のリポートによると、英トップ5銀行の年間コンプライアンス(法令順守)費用は、レグテックの利用拡大で少なくとも0.05%、額にして計5億2300万ポンド(7億2000万ドル)削減可能とされる。
リポートは業界や監督当局に対し、ファイナンスの競争力強化のためにレグテックの利用拡大を訴えている。
一方、規制当局は、自らは主導する立場にはないと主張。イングランド銀行(英中銀)のサム・ウッズ副総裁はリポートの発表イベントで「選択を行う公的部門の少数の人々が主導する技術シフトが良い技術シフトとは私には思えない」と述べた。
レグテックは英国の金融技術(フィンテック)セクターの一部分を占めている。ブレグジットに伴いシティー・オブ・ロンドンが欧州から切り離されたことを受け、同セクターは政府の金融部門競争力強化戦略の中心となっている。
ただ、リポートはレグテックの利用について、長期の調達サイクル、企業内の緩慢な意思決定、既存技術や資金不足による制約に妨げられている、と指摘した。
金融行動監視機構(FCA)の消費者・競争部門担当エグゼクティブディレクター、シェルドン・ミルズ氏は「個別の企業や個別の技術を支援することは必ずしもわれわれのやるべきことではない」と説明。今回のリポートがレグテック業界の拡大につながるとの期待を示し、それは「市場や各社次第だ」と述べた。
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