- 2021/04/30 掲載
焦点:バイデン政権の最初の100日、米株は上昇 ドル横ばい
S&P総合500種株価指数は100日間で10%上昇し、過去40年間のどの大統領よりもこの期間の上昇率が高かった。さらに昨年11月の米大統領選から就任後100日目までの期間で見ると、S&P500種は約25%の上昇だった。JPモルガンのアナリストによると、これは少なくとも過去75年間の大統領の中で最高記録だ。
もちろん、株価は昨年3月にコロナ禍で急落して以降、連邦準備理事会(FRB)の大規模金融緩和や多額の経済対策、国内個人投資家の強い意欲などを背景に上昇基調が続いていた。しかし、今年に入ってからの上昇の少なくとも一部は、バイデン大統領が既に成立させた1兆9000億ドルの追加経済対策と、提案中の2兆3000億ドルのインフラ投資計画案を好感したものだと多くの市場関係者が考えている。
リスク志向が高まって株価が高騰する一方で、安全資産であるドルは横ばいにとどまった。就任後100日間でドルは主要6通貨のバスケットに対して0.1%上昇。これは過去40年間の大統領就任後100日間で最も小幅な変化だった。
ゼロに近い金利と、FRBが金融緩和を長期間維持すると約束していることなどが、ドルの頭を抑える要因となった。
第1・四半期に米国債利回りが急上昇したことは投機筋がドルショートポジションを落とす材料となったが、第2・四半期に入ると利回り上昇に歯止めがかかり、ドルは再び弱含んだ。
バイデン政権が「グリーンエネルギー」改革を推進するとの期待から、代替エネルギーセクターに投資資金が流入。大統領選の日からバイデン氏が就任した1月20日にかけて、インベスコの太陽エネルギー関連の上場投資信託(ETF)は65%も上昇した。ただ、就任後は上昇の熱気はやや冷めた。
100日間の上昇率が最も高かったセクターのひとつが情報通信サービスで、フェイスブックやグーグルの親会社アルファベットは米議員らが業界規制強化に動いているにもかかわらず、堅調だった。
今年の力強い景気回復期待から、金融、エネルギーなど「バリュー株」に循環物色が入った。
S&P500種を構成する銘柄の大半が1月20日以来で上昇した。こうした中、同日に比べて株価が下落している銘柄が最も多いのはヘルスケアセクターとなった。
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