- 2021/05/05 掲載
欧州市場サマリー(4日)
株式相場が乱高下する中、比較的安全な資産とされる国債の需要が高まり、ユーロ圏の国債利回りが低下した。金融大手のHSBCとバークレイズ、スタンダード・チャータード(スタンチャート)がFTSE100種の大きな押し下げ要因だった。
企業が新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)中の落ち込みを取り戻そうとする中、4月の英国の製造業購買担当者景気指数(PMI)は1994年以来の高水準となった。
ポンドが下落したことにより、酒造大手のディアジオやたばこのインペリアル・ブランズ、ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BAT)などの輸出銘柄は値を上げた。
<欧州株式市場> 反落して取引を終えた。米国の大手テクノロジー株に売り物が集中したことで欧州株式市場でも同業銘柄が下落した。
STOXX欧州600種テクノロジー株指数は3.75%下落し、昨年10月以来の大幅安となった。利益確定売りが出たと述べるアナリストもいる。米国市場ではテクノロジー株中心のナスダック総合株価指数が過去最高値水準から2%超値下がり。バリュエーションの高い銘柄に売り物が集中した。テクノロジー株が多いドイツのクセトラDAX指数は2.49%下落し、国別で最も大幅に下落した。
ドイツの食材宅配サービス会社ハローフレッシュは6.7%下落した。第1・四半期の利益が増えたものの、新型コロナの感染拡大を抑えるための封鎖措置が緩和される中で消費者行動が変わるとの不安が重しとなった。
石油・ガス株指数は0.09%下落と、小幅な落ち込みにとどまった。資源株指数は0.16%上昇。先進国で新型コロナのワクチン接種計画が進んでいることや過去最大規模の景気刺激策が導入されたことで、世界経済が力強く回復するとの見方が資源相場を押し上げていることが背景にある。
<ユーロ圏債券> 国債利回りが低下。株価が不安定な値動きとなる中、安全とみられる資産への買いが広がった。
欧米の株式市場では、株価が商いを伴って数分間で約0.5%下落。その後も売りが膨らんだ。中国軍機が台湾の防空識別圏に侵入したとの情報が売りを触発したの見方も出ているが、詳細は分かっていない。
株安を受けて米国債やドイツ国債の利回りが低下したものの、「納得のいく理由は見当たらない」(INGのアントワーヌ・ブーベ氏)という。
ドイツ10年債利回りは4.2ベーシスポイント(bp)低下しマイナス0.244%。その他の国債利回りもおおむね2─4bp低下した。
欧州中央銀行(ECB)の統計によると、4月のパンデミック緊急購入プログラム(PEPP)による資産買い入れ額は800億ユーロ(960億ドル)に達し、2月時点の600億ユーロから拡大した。ECBは3月の理事会で次の四半期の資産購入をこれまでより「かなり速いペースで実施する」と明言していた。
ただ、サクソバンクの最高投資責任者(CIO)、スティーン・ヤコブセン氏は「欧州の国債、特にドイツ国債は米国債利回りの上昇に対して極めて脆弱であるため、引き続き弱気姿勢だ」と述べた。
<為替> 欧州終盤 アジア市場終盤 コード
ユーロ/ドル 1.2013 1.2014
ドル/円 109.33 109.39
ユーロ/円 131.36 131.44
<株式指数> 終値 前日比 % 前営業日終値 コード
STOXX欧州600種 433.65 -6.27 -1.43 439.92
FTSEユーロファースト300種 1668.58 -24.07 -1.42 1692.65
ユーロSTOXX50種 3924.80 -75.45 -1.89 4000.25
FTSE100種 6923.17 -46.64 -0.67 6969.81
クセトラDAX 14856.48 -379.99 -2.49 15236.47
CAC40種 6251.75 -56.15 -0.89 6307.90
<金現物> 午後 コード
値決め 1767.65
<金利・債券>
米東部時間13時0分
*先物 清算値 前日比 前営業日終盤 コード
3カ月物ユーロ 100.54 0.00 100.54
独連邦債2年物 112.10 +0.01 112.09
独連邦債5年物 134.95 +0.15 134.80
独連邦債10年物 170.66 +0.50 170.16
独連邦債30年物 203.74 +1.60 202.14
*現物利回り 現在値 前日比 前営業日終盤 コード
独連邦債2年物 -0.698 -0.010 -0.685
独連邦債5年物 -0.609 -0.022 -0.583
独連邦債10年物 -0.242 -0.027 -0.208
独連邦債30年物 0.313 -0.033 0.354
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