- 2021/07/07 掲載
FSB、気候変動リスクのルール調整に向け工程表を公表
「一定の方向感」を定め、市場の分断を回避することが狙い。
各企業の情報開示方法を調整するほか、金融安定に対する「脆弱性」を特定し、それに対処するためのツールを開発する上で必要になるデータの不足を補う。
工程表では、まだ策定段階にあるルールを2023年までに調整し、同一活動に対してさまざまな測定基準が乱立する事態を回避する。
情報開示手法の不統一を巡っては、「国際サステナビリティー基準審議会(ISSB)」を設立し、国際的な投資家に一貫した情報を提供する取り組みが進められている。
FSB議長を務めるクオールズ米連邦準備理事会(FRB)副議長は「次のレベルに進む時が来た。有害な市場の分断を避ける必要がある」と表明。統一性のない基準を導入すれば、後で是正することが非常に困難になると指摘した。
国際的な投資家は基準の統一を望んでいるが、各企業によって情報開示手法が異なる状況は、今後も続く可能性が高い。
FSBに加盟する欧州連合(EU)は、企業に対し、気候変動が業績に及ぼす影響だけでなく、事業活動が環境に及ぼす影響についても情報を開示するよう求める方針で、他の多くの国と大きな隔たりがある。
FSBは、今週イタリアで開催されるG20財務相・中央銀行総裁会議に対し、全ての金融リスク評価で気候変動リスクを適切に考慮に入れる体制を整えるため、工程表を支持するよう求めている。
FSBは、気候変動リスクの調整がどこまで進んだか、毎年G20に報告する予定。
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