- 2021/07/08 掲載
米物価上昇長期化で早期利上げリスク=IMF専務理事
IMFのゲオルギエワ専務理事はブログで、米国の金利が上がれば金融環境が世界的に急激に引き締まり、新興国や発展途上国から大規模な資金が流出する可能性があると述べた。
ゲオルギエワ氏は、米国で新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)による打撃からの回復が加速していることが貿易の拡大を通して多くの国に恩恵を与えるが、物価上昇は予想よりも長く続く可能性があると述べた。米経済は2021年に7%成長するとみられる。IMFは世界経済の成長見通しを6%増としている。
IMFは、その他の国は一次産品と食品の値上がりに直面しており、何百万人もの人が食料不足の危機に瀕しているとした。
市場の見通しによると一次産品価格は向こう数年間、落ち着いた状態が続くが、物価動向は先進国の中でまちまちだ。英国や米国、ユーロ圏では加速する一方、日本などその他の国は抑制され続けている。
ゲオルギエワ氏はリスクが高い人々へのワクチン接種を加速するように20カ国・地域(G20)に緊急対策を再び要請した。米国や中国、ユーロ圏、その他数カ国の経済が急速に回復する一方、多くの国が置き去りにされているとして「経済回復の二極化が悪化している」と警告した。素早い対応により今後半年間で50万人の命が救われる可能性があると述べた。IMFが世界銀行やその他の機関とともに、パンデミックに終止符を打つための500億ドル規模の計画を推し進めようとしていると話した。早く進展すれば世界の経済生産が何兆ドルも増えると主張した。
IMFは各国が、物価上昇と金融安定のリスクに注視しながら緩和的な金融政策を維持することを促した。米国など経済回復が加速している国は、物価の一時的な上昇に過剰に反応することを避けることが「重要」だとした。
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