5月の英ＥＵ向け輸出、19年10月以来の高水準　年初の落ち込み回復

［ロンドン　９日　ロイター］ - 英国立統計局（ＯＮＳ）が９日に発表した貿易統計によると、英国の欧州連合（ＥＵ）向けモノの輸出（貴金属を除く）は、５月に季節調整済みで１４０億ポンド（１９４億ドル）に増加し、２０１９年１０月以来の高水準を記録した。英国がＥＵ単一市場・関税同盟から離脱した年初めの落ち込みから回復した。

英政府は、関税に関する変更が多くの企業にとって一時的な影響にすぎないとみているが、今回のデータがそれを裏付ける内容だとする可能性がある。

ただ、ＥＵとの貿易は他地域に比べ輸出の伸びで低水準にとどまっている。ＥＵ離脱により、英企業は欧州の顧客やサプライヤーとの間でこれまでよりも煩雑な手続きに直面していると業界団体は指摘している。

英国商業会議所の通商政策部門代表、ウィリアム・ベイン氏は統計を受けて「経済活動の再開に伴い、先月は英国製品に対する需要が多少上向いたが、全体としては依然脆弱だ」と指摘した。

年初に低迷していたＥＵからの輸入も増加した。ただ、ＥＵ以外の地域からの輸入を若干下回っている。英国は昨年まで大半の製品をＥＵから輸入していた。