- 2021/08/13 掲載
「火中の栗」、役員人選難航=東芝、混乱収束なお遠く
東芝の経営体制再構築が難航している。6月の定時株主総会で、取締役会議長だった永山治氏ら社外取締役2人の再任案が否決され、同社は新たな役員選定を急ぐ。しかし、「火中の栗」(東芝関係者)を拾う人材を見つけるのは容易ではなく、経営の混乱収束にはなお時間がかかりそうだ。
東芝では永山氏の退任に伴い、綱川智社長が暫定的に取締役会議長を兼務している。同社の内規では、議長は原則社外取締役が務めることになっているが、生え抜きの綱川氏は「社外」ではない。
綱川氏は12日の決算発表記者会見で、社外取締役の追加選任について、「年内に(臨時株主)総会を開いて承認いただきたい」と強調した。しかし、企業統治の要である議長の人選には投資家から厳しい目が向けられており、「(人選は)慎重にならざるを得ない」(関係者)のが実情だ。
また、4月に社長を辞任した車谷暢昭氏の後任に、綱川氏が再登板したのも緊急的な措置だ。東芝は外部のスカウト会社の協力を得て、取締役会議長や社長の後継候補を探すが、時間がかかるのは必至だ。
東芝は10月に中期経営計画を公表する。株主に不当な圧力をかけたとする問題についても、「ガバナンス強化委員会」が同月に最終報告をまとめる予定だ。役員の人選につまずけば、「物言う株主」らの反発が再び強まる可能性もある。
【時事通信社】
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