- 2021/08/14 掲載
NY市場サマリー(13日)ダウとS&P最高値、ドル1週間ぶり安値
<為替> ドル指数が1週間ぶりの安値に沈んだ。米ミシガン大消費者信頼感の8月速報値が急低下し、経済活動の落ち込みを巡る懸念が高まった。
米ミシガン大学が13日に発表した8月の消費者信頼感指数(速報値)は70.2と、2011年以来、約10年ぶりの低水準となった。7月の確報値である81.2から大幅に低下し、ここ50年で3番目に大きな落ち込みとなった。市場予想は横ばいの81.2だった。
ケンブリッジ・グローバル・ペイメンツ(トロント)のチーフ市場ストラテジスト、カール・シャモッタ氏は「今週の主な材料はインフレ圧力の緩和により、FRBによる早期のテーパリング(量的緩和の縮小)開始に向けた原動力が弱まるという見方だった」と指摘。市場が見込むテーパリング発表時期は9月から11─12月にシフトしたと述べた。
ドル指数は0.5%安の92.521と6日以来の安値。週間では0.3%安となった。
ポンド/ドルは0.45%上昇。ただ週間では2週連続で小幅に下落した。
暗号資産(仮想通貨)では、ビットコインが4.78%高の4万6571.09ドル。11日に付けた3カ月ぶりの高値4万6787ドルに接近した。イーサは6.03%高の3228.33ドル。
NY外為市場:[USD/J]
<債券> 利回りが低下。米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨の公表を来週に控え薄商いとなる中、低調な結果に終わった米ミシガン大消費者信頼感指数に反応した。
指標10年債利回りは一時1.293%に低下し、4日に記録した半年ぶりの低水準となる1.127%に迫った。終盤は6.7ベーシスポイント(bp)低下の1.3001%となった。
2年債と10年債の利回り差は5.26bp縮小し108.17bpとなった。
米ミシガン大学が発表した8月の消費者信頼感指数(速報値)は70.2と、2011年以来、約10年ぶりの低水準となった。7月の確報値である81.2から大幅に低下し、ここ50年で3番目に大きな落ち込みとなった。市場予想は横ばいの81.2だった。
BMOキャピタル・マーケッツの米金利ストラテジスト、ベン・ジェフリー氏は、新型コロナウイルスのデルタ変異株の感染拡大を巡る懸念も債券利回りの低下に寄与したと指摘した
モルガン・スタンレーのアナリストは、18日に発表される7月FOMCの議事要旨によって、FRB当局者が量的緩和の縮小(テーパリング)を巡る主要な決定に「どの程度近づいているか」が明らかになる可能性があるとした。
物価連動国債(TIPS)と通常の国債の利回り差で、期待インフレを示すブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)は5年物で2.581%と、前日の2.616%から小幅低下した。
今週は計1260億ドルの国債入札が実施された。米財務省は来週18日に270億ドルの20年債、19日に80億ドルの30年物インフレ連動債(TIPS)の入札を実施する。
FRBによる国債を対象とした翌日物リバースレポは13日、3日連続で1兆ドルを上回った。
米金融・債券市場:[US/BJ]
<株式> ダウ工業株30種とS&P総合500種が小幅上昇し、終値ベースの最高値を更新した。消費者信頼感の急低下が重しとなったが、娯楽大手ウォルト・ディズニーの上昇が寄与した。
ディズニーは1.0%高。12日発表した第3・四半期(7月3日まで)決算は市場予想を上回る内容となった。動画配信サービスで新規契約者を獲得したほか、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)で打撃を受けていたテーマパーク部門が黒字化した。
ただ、米ミシガン大学が13日に発表した8月の消費者信頼感指数(速報値)は70.2と、2011年以来、約10年ぶりの低水準となった。7月の確報値である81.2から大幅に低下し、ここ50年で3番目に大きな落ち込みとなった。市場予想は横ばいの81.2だった。
ベアードの投資ストラテジスト、ロス・メイフィールド氏は「消費者は非常に強い立場にあるが、コロナ疲れが消費者心理に影響を与え始めている」と述べた。
消費者信頼感指数の落ち込みを受け、米10年債利回りは低下。マイクロソフトが1.05%上昇するなど大型グロース株が買われた一方、オンライン小売大手アマゾンは0.29%安となった。
週間ではダウが0.87%高、S&Pが0.71%高と2週連続で上昇した一方、ナスダック総合は0.09%下落した。
個別銘柄では、料理宅配サービスのドアダッシュが不安定な値動きの中、3.50%高となった。12日発表した第2・四半期決算は、海外進出や食品販売市場への参入に伴うコストがかさみ、予想を上回る赤字となった。
民泊仲介大手のエアビーアンドビーは序盤の下げから切り返し1.07%高。新型コロナウイルスのデルタ変異株の感染拡大や米国でのコロナワクチン接種ペースの鈍化による宿泊などの予約数への悪影響について懸念を示した。
米取引所の合算出来高は79億9000万株。直近20営業日の平均は94億2000万株。
米国株式市場:[.NJP]
<金先物> 米景気指標の悪化を受けて買われ、反発した。中心限月12月物の清算値(終値 に相当)は前日比26.40ドル(1.51%)高の1オンス=1778.20ドル。週間では15.10ドル(0.86%)高となった。
NY貴金属:[GOL/XJ]
<米原油先物> 国際エネルギー機関(IEA)月報をきっかけとした石油需要の減退懸念に押され、続落した。米国産標準油種WTIの中心限月9月物の清算値(終値に相当)は、前日比0.65ドル(0.94%)安の1バレル=68.44ドル。
NYMEXエネルギー:[CR/USJ]
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