- 2021/08/16 掲載
物価目標引き上げ、雇用急増につながる可能性=元FRBスタッフ
報告書をまとめたのは、FRBの元リサーチディレクター、デービッド・ウィルコックス氏と、イエレン前FRB議長の特別顧問を務めたデービッド・レイフシュナイダー氏。両氏は現在、ピーターソン国際経済研究所に勤務している。
両氏は、新型コロナウイルスの流行が収束し、金利の正常化が可能になれば、FRBはインフレ目標を2%から3%に引き上げ、目標達成のため、予想外の利下げというショック療法を活用すべきだと主張。
「目標引き上げの発表後、15年間にわたって、失業率が持続可能な水準を平均で0.75%ポイント以上下回る可能性がある」と指摘した。これは、毎年約120万人以上が追加で雇用されることを意味するという。
両氏は、人々が限界まで労働市場に参入すれば、社会から取り残された集団も労働市場に参入できるとし、インフレ高進が「人種などの格差是正に寄与する可能性」があり、雇用期間の長期化、経験・訓練の積み重ねにつながり得ると分析。
金融緩和で金融バブルが発生するリスクや、物価高騰への対応で利上げした場合に景気後退に陥るリスクは、管理可能であり、「移行期間中の著しい雇用・生産の急増」というメリットに見合う価値があるとしている。
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