- 2021/08/31 掲載
即戦力のIT人材期待=日立、「ジョブ型」で就業体験
先端IT人材の確保に、専門技能を重視し、職務の範囲を確約する欧米流の「ジョブ型雇用」を活用する動きが広がっている。日立製作所はこの雇用形態の導入に合わせ、今年度から「ジョブ型」のインターンシップ(就業体験)を開始した。背景には、新卒一括採用で社内養成に主眼を置く日本型雇用だけでは難しい、デジタルトランスフォーメーション(DX)の即戦力獲得への期待がある。
東京都国分寺市にある日立の研究開発拠点、中央研究所。このほど、理系の修士院生3人が3週間の日程で参加する就業体験が始まった。研究所の技術者から指導を受けながら、フェイクニュースをテーマに、人工知能(AI)技術で情報の信頼性を評価する手法の研究開発に取り組む。
新型コロナウイルス感染防止のため、オンライン上でのプログラムとなったが、AIを研究分野にしている女子学生は「自分の専門性を発揮できる内容だ」と満足した様子。人財統括本部の大河原久治部長代理は「デジタル分野の人材ほど、ジョブ(職務)をより意識する傾向がある」と指摘、ジョブ型雇用の有効性に期待感を示す。
ただ、依然として日立は家電メーカーのイメージが強いのも事実。参加学生からは、就職先について「AIに力を入れるIT企業が魅力的に見える」との声も聞かれた。「企業のブランドイメージを変えることに力を入れている」と大河原氏。新しい形の就業体験を、デジタル技術を駆使して社会システムを効率化することを事業の主軸に据える新しい「日立像」の浸透にもつなげたい考えだ。
【時事通信社】 〔写真説明〕日立製作所の中央研究所で報道公開されたジョブ型就業体験の様子=25日、東京都国分寺市
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