- 2021/09/13 掲載
米民主党、EV向け税額控除の大幅拡充を提案 国内メーカーを優遇
バイデン米大統領は新車販売に占めるEV比率を2030年までに50%に引き上げ、労組に加盟する就労者を大幅に増やすという目標を掲げており、税控除拡充はその主要施策の1つとなる。ホンダやトヨタ自動車など外資系の自動車メーカーは反発している。
米国内の労組を持つ工場で組み立てられた自動車への税額控除は最大1万2500ドルに引き上げられ、他の大半のEVに対する7500ドルを大幅に上回ることになる。
下院民主党がまとめた法案はまた、EVの累計販売台数が20万台に達した後に控除額を段階的に減額する既存の仕組みを撤廃する。既に20万台に達しているゼネラル・モーターズ(GM)とテスラに再び初期の控除額が適用されることになる。また、中古EVに最大2500ドルの税控除を設ける。
税控除拡大など下院民主党の提案にによって、GMの「シボレー・ボルト」を含む一部のEVは価格を現在の3分の2に下げることが可能になり、ガソリン車と比べても価格優位性が高まる。
下院民主党のダン・キルディー議員はロイターに「米国のメーカーを優位な立場に導き、他のいかなる潜在的な政策よりも(温暖化ガス)排出量を速く削減できる」と強調した。
新たな税額控除の財政負担は10年間で推計330億─340億ドルになると述べた。
GM、フォード・モーター、クライスラーの親会社ステランティスから成るビッグスリーは、米国内の完成車工場の従業員が全米自動車労組(UAW)に加盟している。
これとは対照的に、外資系メーカーやテスラは米国内の工場に従業員を代表する労組はなく、その多くは、UAWによる労組結成の取り組みにも抵抗してきた。
EV向け税控除拡充の協議が進展する中、ホンダは先月、文書で自社の従業員は「米議会から公正な扱いを受ける権利があり、どの職場を選択したかでペナルティーを科されるべきではない」と訴えた。
下院歳入委員会は14日に新たな法案の採決を行う。法案は民主党が調整を進めている3兆5000億ドル規模の歳出法案の一環となる。
法案によると、新たなEV向け税額控除は総収入が40万ドル以下の人が対象で、価格が5万5000ドル以下のEV(トラックは7万4000ドル以下)に限定される。
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