- 2021/09/14 掲載
NY市場サマリー(13日)ドル上昇、S&P6日ぶり反発
<為替> 新型コロナウイルス感染再拡大にもかかわらず米連邦準備理事会(FRB)が年内にテーパリング(量的緩和の縮小)に着手するとの観測を背景に、ドル指数が2週間ぶりの高値を付けた。
主要6通貨に対するドル指数は一時92.887と、8月27日以来の水準に上昇。ただ午後に入り上げ幅を縮小し、終盤の取引では小幅高の92.664。
連邦公開市場委員会(FOMC)を来週に控え、今週は14日の消費者物価(CPI)統計などの経済指標が注目されている。
ユーロは一時1.1770ドルと、約2週間ぶりの安値を更新。終盤の取引では0.1%安の1.1801ドル。欧州中央銀行(ECB)は9日の理事会で、新型コロナ対応の債券買い入れプログラムの買い入れ規模縮小を決定し、緊急措置の解除に向けた一歩を踏み出した。
ドルは対円で0.1%高の110円、対スイスフランで0.5%高の0.9228フラン。
暗号資産(仮想通貨)では、ライトコインが一時27.4%上昇した後、下落した。米小売り大手ウォルマートがライトコインの利用を認めるとのプレスリリースが発表されたことを受け急伸したが、その後ウォルマートは同リリースは捏造だと表明。コインゲッコーによると、ライトコインは終盤の取引で2.6%安の180.78ドル。
ビットコインは2.8%安の4万4762ドル。
NY外為市場:[USD/J]
<債券> 国債利回りが低下。14日に発表されるCPIに注目が集まった。
OANDAのシニア市場アナリスト、クレイグ・アーラム氏は、21日から始まるFOMCを前に当局者が金融政策に関する公式発言を自粛する「ブラックアウト」期間に入る中、物価指標が一層注目されると指摘。「連邦準備理事会(FRB)が考えるほどインフレ率は一過性ではないことが示されれば、金融緩和をさらに積極的に解除すべきとの圧力が強まり、市場にやや混乱が生じてもおかしくない」と述べた。
10年債利回りは1.8ベーシスポイント(bp)低下し1.323%。30年債利回りは3.1bp低下の1.903%。2年債利回りは0.2bp安の0.215%。
米金融・債券市場:[US/BJ]
<株式> S&P総合500種が6営業日ぶりに反発。市場では、下院民主党による連邦法人税率引き上げ案や週内に発表される米インフレ指標に注目が集まっている。ダウ工業株30種も反発したが、ナスダック総合は続落して終了。
バリュー(割安)株がグロース(成長)株をアウトパフォームし、景気回復の恩恵が大きい銘柄の上昇が目立った。
市場参加者は、21%から26.5%への連邦法人税率引き上げを盛り込むとみられるバイデン大統領の3兆5000億ドル規模の歳出法案の行方に注目している。
13日の取引ではS&P500の主要11セクターのうちヘルスケアの下げがきつかった一方、原油価格の上昇を受けてエネルギーの上昇率が最大となった。
個別銘柄ではモデルナが6.6%、ファイザーが2.2%、それぞれ下落。世界保健機関(WHO)と米食品医薬品局(FDA)の科学者らが論文で、一般の人に対する新型コロナワクチンの3回目の追加接種(ブースター接種)は必要ないとの見解を示した。
暗号資産(仮想通貨)交換所大手のコインベース・グローバルは2.2%安。製品開発に向けた投資やM&A(企業の合併・買収)資金に充てるため、社債発行を通じた約15億ドルの資金調達を計画していると発表した。
顧客管理ソフト大手セールスフォース・ドットコムも1.2%下落。同業のフレッシュワークスが米国での新規株式公開(IPO)で約90億ドルの評価額を目指していることが、規制当局への提出資料で分かった。
米国株式市場:[.NJP]
<金先物> インフレ統計の発表を前に持ち高調整の取引が中心となる中、小反発した。中心限月12月物の清算値(終値に相当)は、前週末比2.30ドル(0.13%)高の1オンス=1794.40ドル。
CPIの発表を翌14日に控え、様子見ムードが台頭。米長期金利の低下を眺めて朝方は金買いが先行しいったん1800ドル台に浮上したが、高値圏では利益確定の売りが出やすかった。
NY貴金属:[GOL/XJ]
<米原油先物> 米国内の供給逼迫(ひっぱく)懸念の強まりを背景に続伸。米国産標準油種WTIの中心限月10月物の清算値(終値に相当)は、前週末比0.73ドル(1.05%)高の1バレル=70.45ドル。11月物は0.72ドル高の70.19ドル。
ハリケーン「アイダ」の影響で大きく落ち込んだ米メキシコ湾岸の石油生産は、復旧があまりはかどっていない。そうした中、熱帯低気圧「ニコラス」がハリケーンに発達して再びメキシコ湾の石油施設を襲う可能性があり、沖合のプラットフォームの閉鎖や人員の退避が進行している。完全再開がさらに遅れるとの警戒感の強まりから、原油買いの流れが継続。相場は清算値ベースで8月3日以来、約1カ月ぶりに70ドル台を回復した。
NYMEXエネルギー:[CR/USJ]
ドル/円 NY終値 109.98/110.01
始値 110.11
高値 110.12
安値 109.91
ユーロ/ドル NY終値 1.1808/1.1812
始値 1.1774
高値 1.1817
安値 1.1771
米東部時間
30年債(指標銘柄) 17時05分 102*04.50 1.9058%
前営業日終値 101*16.00 1.9340%
10年債(指標銘柄) 17時05分 99*09.50 1.3259%
前営業日終値 99*05.00 1.3410%
5年債(指標銘柄) 17時05分 99*23.25 0.8063%
前営業日終値 99*21.75 0.8160%
2年債(指標銘柄) 17時01分 99*26.50 0.2129%
前営業日終値 99*26.25 0.2170%
終値 前日比 %
ダウ工業株30種 34869.63 +261.91 +0.76
前営業日終値 34607.72
ナスダック総合 15105.58 -9.91 -0.07
前営業日終値 15115.49
S&P総合500種 4468.73 +10.15 +0.23
前営業日終値 4458.58
COMEX金 12月限 1794.4 +2.3
前営業日終値 1792.1
COMEX銀 12月限 2379.6 ‐10.4
前営業日終値 2390.0
北海ブレント 11月限 73.51 +0.59
前営業日終値 72.92
米WTI先物 10月限 70.45 +0.73
前営業日終値 69.72
CRB商品指数 221.1991 +0.7714
前営業日終値 220.4277
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