- 2021/09/22 掲載
米つなぎ予算・債務上限凍結一体化法案、下院で最終審議に進む
上院共和党は、民主党が3兆5000億ドルの歳出関連法案の成立を目指していることを理由に、債務上限の引き上げや適用停止に反対しており、下院で正式な法案が可決されても、上院では膠着状態に陥る可能性がある。
上院共和党トップのマコネル院内総務は21日に改めて、28兆4000億ドルに設定されている債務上限の引き上げに反対すると表明。ただ、「米国は決してデフォルト(債務不履行)に陥ってはならない。そのようなことはこれまで一度もないし、今後も決してない」と付け加えた。
その上で記者団に「債務上限は引き上げる必要がある。その必要性は常々ある。ただ、民主党によって引き上げられるだろう」と述べた。
民主党は下院で法案可決に十分な賛成票を確保するとみられるが、勢力が拮抗する上院で共和党の協力が得られない場合は、共和党の支持を必要としない財政調整措置(リコンシリエーション)という手続きで可決を目指すよう迫られるとみられる。
バイデン大統領が掲げる3兆5000億ドルの歳出関連法案でもリコンシリエーションを使う考えだ。
議会は、新会計年度が開始するのと同時に政府機関が閉鎖する状況を回避するため、9月30日の会計年度末までにつなぎ予算を可決する必要がある。
債務上限が引き上げられなければ、財務省は10月にも借り入れ権限が上限に達するとみられる。今回の法案が成立すれば、上限の適用が22年12月まで停止する。
実際は、政府債務は28兆7800億ドルに達しており、上限を既に上回っている。財務省は緊急の資金繰り措置を動員して利払い費などを賄っているが、10月に緊急策が尽きると見込まれている。
共和党は、債務上限凍結措置がつなぎ予算案から削除されれば、支持する意向を示している。
一体化法案が上院で否決された場合、議員らが新たな戦略を打ち出さない限り、政府機関が一部閉鎖されるとともに、近代史上初のデフォルトのリスクが高まることになる。
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