- 2025/08/02 掲載
高温少雨、米どころ直撃=山地の生産者「最悪の年」―稲枯れ、地面ひび割れも・新潟
最近の高温と少雨が日本有数のコメ産地、新潟県を直撃している。6月下旬から1カ月以上まとまった降水がない地域が多く、気温は過去最高水準で推移。この状況が8月も続けば、コメの品質低下や収穫量減少につながる恐れがあり、生産者の懸念は増している。
新潟地方気象台によると、今年はコメの品質低下や生産量の減少が問題となった2023年よりも高温と少雨の傾向が高く、同気象台の担当者は「これまでにない状況だ」と危機感を示す。県によると、県内に23カ所ある農業用ダムの平均貯水率は、7月25日時点で78.7%と、過去10年の平均貯水率(89.0%)を大きく下回った。
コメは穂が出る8月ごろに高温が続くと、白濁や黒い着色が見られたり、割れやすくなったりして品質が低下する。水不足は実りにくさにもつながる。
大きな川のない中山間地の水田では、既に稲が枯れ始め、地面のひび割れも発生している。上越市の山間部でコメを栽培する70代男性は「ずっと専業のコメ農家としてやってきたが、今年は最悪の年。収穫量は通常の半分に届くかどうかだ」と頭を抱える。
農業組合法人代表の高波澄男さん(74)が上越市の山地付近に法人として持つ水田では、大半の稲が枯れ、大きな網の目状のひびが地面に入っていた。高波さんは「このような状況が1、2年続くなら、ここは撤退する」と話した。
県内の自治体は山間地などの生産者を支援するため、沢などから水をくみ上げるポンプの利用経費の補助などを実施。ただ、長岡市の担当者は「くむ水もない場合は対処が難しい」とこぼした。
【時事通信社】 〔写真説明〕水不足でひびが入った水田=7月31日、新潟県上越市
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