• 2021/10/02 掲載

後絶たぬ不正=三菱電、険しい改革への道

時事通信社

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三菱電機は1日、鉄道車両用装置などの検査不正をめぐる調査委員会の報告書を受け、再発防止策を発表した。6月の発覚以降も不正が相次いで見つかり、問題の根は深い。漆間啓社長は「報告書の指摘を真摯(しんし)に受け止め、再発防止にしっかり取り組む」と出直しを誓うが、課題は山積しており、風土改革と信頼回復への道は険しい。

報告書では、長崎製作所(長崎県時津町)と名古屋製作所可児工場(岐阜県可児市)での検査不正を対象としている。ただ、6月以降、他に三つの拠点での不正が明らかになった。調査委は全22拠点を対象に調査を続ける。全従業員へのアンケートでは品質に関わる問題の申告が2305件に上り、全容はいまだ見えない。

一連の問題の原因として挙げられたのが風通しの悪さだ。会長を辞任した柵山正樹氏は1日の記者会見で、「最も大きな問題は経営層と現場の断絶だった」と語った。調査委が「外に物は言いにくい、一部からは上司に物が言いにくいと聞く」と指摘するように、組織の自浄作用も働かなかった。

一方、調査委から「工場あって会社なし」と組織の閉鎖性を指摘されながら、顧客との取り決めを軽視するなど自社の論理を優先する企業体質は皮肉にも各工場で共通している。不正に対し罪悪感を抱くことなく、長年顧みることもなかった。体質改善は至難と言える。

三菱電機はガバナンス(企業統治)の強化に加え、「上に声を上げやすい」「失敗を許容する」企業風土の実現に取り組むという。検査不正だけではなく、過労死など労務問題も相次ぐ同社が悪弊を根絶できるのか、掲げた改革の実行力が問われている。

【時事通信社】

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