• 2021/10/04 掲載

コロナ対応、経済再生の両立課題=「所得倍増」へ問われる手腕―岸田新政権

時事通信社

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4日発足した岸田文雄内閣は、新型コロナウイルスへの対応と経済再生の両立が最優先課題となる。岸田新首相は自民党総裁選で、格差是正により中間層を復活させる「令和版所得倍増」を掲げた。どう実現させるのか、手腕が問われる。

首相は総裁就任後の記者会見で、コロナ禍の長期化に対応するため、「年内に数十兆円規模の経済対策を策定する」と表明した。政府・与党は、経済対策の財源の裏付けとなる2021年度補正予算の年内成立を目指す。

公明党は18歳までの全ての子どもに1人当たり10万円を給付するよう提案。首相も生活困窮者や中小事業者向けの給付金の必要性に言及している。衆院選を控え、与党内から歳出拡大を求める声が強まる中、「規模ありき」でなく、効果的な対策をまとめられるかが焦点だ。

新政権は新型コロナの感染再拡大に備え、3回目のワクチン接種の準備を進めるほか、治療薬の開発を支援。無料PCR検査の拡充などを検討する。政府の観光支援事業「Go

To

トラベル」についても、ワクチン接種証明の活用など内容を見直した上で再開させる方針だ。

安倍晋三政権は大規模な金融緩和、機動的な財政出動、成長戦略で構成する経済政策「アベノミクス」を推進。菅義偉政権は、それを継承した。企業業績が改善し、富裕層の金融資産が増加した半面、賃上げの勢いは鈍く、格差拡大を招いたとされる。

首相は賃上げなどを通じて中間層を復活させ、消費や企業の投資を活性化させる「成長と分配の好循環」を描く。具体策として、子育て世帯への住居費・教育費支援や、介護士・保育士らの待遇改善などに取り組む考えだ。

野村総合研究所の木内登英エグゼクティブ・エコノミストは「安倍・菅政権が積み残した構造改革と成長戦略を大きく前進させることが最大の使命だ」と指摘。「パイの分配よりも、まずはパイを増加させないと、経済の潜在力の低下につながる」と話す。

コロナ対策で国の財政状況は一段と悪化している。国と地方を合わせた長期債務残高は21年度末に1212兆円に膨らむ見通しで、国内総生産(GDP)の2倍強と先進国で最悪の状況にある。首相は「経済正常化を目指しつつ、財政健全化の旗は堅持する」との方針を示しているが、コロナ禍の収束が見通せない中、難しい経済財政運営を迫られそうだ。

【時事通信社】 〔写真説明〕岸田文雄首相

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