- 2021/10/06 掲載
米ISM非製造業指数、9月は61.9にやや上昇 供給制約で伸び抑制
[ワシントン 5日 ロイター] - 米供給管理協会(ISM)が5日に発表した9月の非製造業総合指数(NMI)は61.9と、前月の61.7からやや上昇した。予想の60.0も上回ったものの、新型コロナウイルス感染拡大が継続する中、供給制約と物価高で伸びは抑制されている。
指数は50が景気拡大・縮小の節目となる。サービス業は米経済の3分の2超を占める。
感染力が強いデルタ変異株の拡散を受け、期待されていた旅行などのサービス需要の回復が遅延。これに加え、サービス部門も原材料と労働力の不足が足かせになっている。
新規受注指数は63.5と、前月の63.2からやや上昇。一方、供給業者の納入指数は68.8と、69.6から低下。50を上回ると納入に時間がかかっていることを示す。
供給制約が続く中、仕入価格指数は77.5と、75.4から上昇した。
雇用指数は53.0と、53.7から低下。企業は「高賃金の職業に従業員が移っていき、補充の手段がない」と報告。ISMは「あらゆるレベルで労働力不足が発生している」とした。
ISMは「労働力、物流、原材料が今もなお課題に直面していることで、供給の継続性が影響を受けている」と指摘。FHNフィナンシャルのシニアエコノミスト、ウィル・コンパーノレ氏は「供給網の制約は原材料不足、物流問題、投入価格の上昇、労働力不足につながっており、ほぼ全ての業者がなお影響を受けている」と述べた。
9月に伸びを示したのは小売、建設、行政、金融・保険などの17業種。活動が低下したのは農業、林業、漁業、狩猟のみだった。ただ、宿泊・飲食業では輸送を巡る問題が悪化。輸送・倉庫業は、サービス提供が需要に追いついていないと報告した。
ISMが1日に発表した9月の製造業景気指数は61.1と、前月の59.9から上昇したものの、原材料の納入遅延が長引き、価格も上昇した。
●オックスフォード・エコノミクスの米国担当主任エコノミスト、オレン・クラクキン氏は「供給上の制約は2022年半ばまで大幅に緩和されないだろう。堅調な需要と新型コロナに対する警戒心の低下により、サービスの成長は維持されるだろうが、供給面での需要を満たす能力が限られているため、その成長は制限される」と述べた。
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