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  • 2021/10/27

アングル:インフレ上昇に直面するECB、理事会5つの注目点

ロイター

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[ロンドン 25日 ロイター] - 28日の欧州中央銀行(ECB)理事会では、物価圧力が無視できないほど大きいとECBが認めるかどうか、それが超緩和的な金融政策スタンスにどのような意味を持つかが焦点となる。

新型コロナウイルス対策の緊急措置を巡る重大な決定が下されるのは12月になりそうだ。だがエネルギー価格が急上昇し供給が滞る中で、今週の会合に対する注目が高まっている。

以下は市場が注目している5つの主要なポイント。

1)高いインフレ率は政策見通しにどのような意味を持つか

ECBは物価圧力の急上昇が想定より長期化しそうだと認めるかもしれない。しかしハト派的なスタンスを放棄する公算は小さい。

ECBの2023年のインフレ見通しは1.5%で目標の2%を下回っており、当局者は早すぎる引き締めは経済に悪影響をもたらすと警告している。

ECBのチーフエコノミストであるレーン専務理事はサービス価格と賃金の伸びが依然として鈍いことを理由に、現在のインフレは金融政策の変更をもたらさないと言明した。

ローヤル・ロンドン・アセット・マネジメントの金利部門責任者クレイグ・インチズ氏は、市場を驚かせないようECBは慎重を期す必要があると指摘。「少しでもタカ派的な面を見せれば、一部の周縁市場が混乱し始める恐れがある」と述べた。

2)ECBのフォワードガイダンスと市場が織り込む金利見通しの相違

過去数週間で市場の利上げ観測が急速に高まり、2022年末までの10ベーシスポイント(bp)の利上げが織り込まれている。これはECBの超緩和的な金融政策スタンスと一致しない。市場の金利上昇が金融状況のタイト化につながれば懸念要因となる。

ECBの利上げ観測の高まりは英米の金利見通しの急激な修正が波及した側面が強い。レーン氏は市場の利上げ観測をけん制しており、ラガルド総裁も理事会後の会見で同様の発言をする可能性がある。

ソシエテ・ジェネラルの欧州担当シニアエコノミスト、アナトリ・アネンコフ氏は「ECBがハト派姿勢を維持すると予想しているが、市場は早期の引き締めに対しヘッジを続けるかもしれない」と語った。

3)物価圧力が弱まった後のインフレ率はどうなるか

一部の政策当局者にとってインフレ要因の変化は無視できない。そのためインフレ率がどの水準で安定するとECBがみているかが注目される。独連邦銀行のバイトマン総裁は退任を発表した先週の声明でインフレリスクに改めて言及した。

ユーロ圏のインフレ率は現在3.4%と2008年以来の高水準にあり、年末までに4%に近づくとみられている。インフレ期待が目標を上回り、賃金に二次的影響が及ぶ兆しが見られた場合にどうなるかが重要だ。

4)景気見通しのリスク

供給のボトルネックとエネルギー価格の急上昇により9月の理事会以降、経済への逆風が強まっている。ドイツの主要経済研究所は14日、共同で経済見通しを発表し、2021年の成長率予想を3.7%から2.4%へ引き下げた。

エネルギー価格の上昇はインフレ上振れリスクであると同時に消費者の購買力を弱め、企業利益を圧迫する。

BofAのアナリストは「こうした成長への重大な下振れリスクをより多くのECBメンバーが認めるのを待っている」とした。

5)パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)終了後の見通し

PEPPは来年3月に期限を迎える。その後をどうするかについての決定が12月に予定されており、議論が行われている。

ビルロワドガロー仏中銀総裁は、PEPPが終了した後も市場のストレスに対処できるよう債券を柔軟に購入する選択肢を維持すべきとの考えを示している。

一部の報道によると、PEPP終了時に市場が混乱することを避けるために、従来の資産購入プログラム(AFP)を補完する新たな債券買い入れプログラムが検討されている。

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