高関税、単年度影響は限定的＝金融システム「安定性維持」―日銀リポート

日銀は２３日、半年に一度まとめる金融システムリポートを公表した。トランプ米政権の通商政策を引き金とした各国の関税引き上げの影響について「単年度で見た影響は中小企業全体では限定的だ」と分析。日本の金融システムは「全体として安定性を維持している」との評価を据え置いた。

米国の高関税政策を受け、２０２５年度の企業業績は、米国向け輸出金額の４割弱を占める輸送用機械などで減益を見込んだ。ただ、こうした業種に関しては「大手行・地域銀行ともに法人向け貸し出しに占めるシェアは大きくない」として、影響は限定的との見方を示した。

一方、今後、輸出減少で大企業製造業の収益見通しが大幅に下振れすれば、部品などを供給する中小企業で、倒産確率が高まるリスクもあると注意を促した。

【時事通信社】 〔写真説明〕米ホワイトハウスの記者会見室に置かれた国別関税の一覧表＝４月３日、ワシントン（ＥＰＡ時事）