- 2021/11/22 掲載
アングル:国際企業の配当金、今年は過去最高に コロナ禍からの回復で
国際企業3394社に関するリフィニティブのデータをロイターが分析したところ、2021年の配当総額は推定1兆3700億ドルとなった。
昨年はパンデミックに伴う業績不振に加え、配当抑制に向けた当局の規制強化やプレッシャーがあったため、支払いが大幅に減少していた。
BNPパリバ・アセット・マネジメントの上級ポートフォリオマネジャー、ジェフリー・デイリー氏は、経済の安定化と景況感改善により「配当支払いは正常化している」と分析。「資本市場で資金が調達でき、企業バランスシートは健全であるため、増配の余地が一層広がっている」とした。
欧州企業の2021年の配当支払いは昨年から25%増えて2524億ドルになる見通し。米企業の配当金の推定額は8.6%増の5623億ドル。
業種別では、コモディティー価格の急騰を背景に鉱山会社の配当金が他の業種を上回った。
世界の主要中銀は昨年に導入した配当や自社株買いに関する制限を緩和しているため、金融部門も増配が見込まれる。
資産運用会社ジャナス・ヘンダーソンは今月のリポートで、世界の大手企業は第3・四半期に過去最高の4035億ドルを配当として支払ったと指摘。前年同期から22%増えたという。
MSCIワールド・インデックスの予想配当利回りは1.72%と、過去10年の平均である2.45%を下回っている。
モンドリアン・インベストメント・パートナーズのグローバル株式担当上級ポートフォリオマネジャー、ジョナサン・スプレッド氏は、将来の配当が正確に株価に織り込まれているかに投資家は着目する必要があると指摘。「米国の配当利回りは過去の平均を大幅に下回っている。織り込みはかなり進んでいる」と付け加えた。
その上で、日本は企業バランスシートの強さを背景に、現行利回りと将来的な増配と言う「最高の組み合わせ」が備わっていると分析した。
12カ月先の予想配当利回りは英企業が3.4%なのに対し、日本企業は2.2%、米企業は1.3%となっている。
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