- 2021/12/15 掲載
環境・デジタルが成長の柱=次期中計、リスク管理も強化―日立製作所の小島啓二社長
日立製作所の小島啓二社長は8日、報道各社のインタビューに応じ、来年春にまとめる次期中期経営計画で環境とデジタルの分野を事業の柱とする方針を表明した。米IT企業や欧州重電大手の送配電システム事業など買収で得た技術やノウハウを活用し、成長加速を目指す。
小島氏は「グリーン(環境)とデジタルを中心に、サステナビリティー(持続可能性)と人々の幸せに貢献していく会社にしたい」と強調した。
次期計画には、さまざまなリスクを総合的に管理する部署の新設も盛り込む。半導体不足で重要性が増しているサプライチェーン(供給網)の管理強化や世界各地の規制当局の情報収集を担い、経済安全保障にも対応する。
一方、米ゼネラル・エレクトリック(GE)との合弁で、日立が4割出資する米GE日立ニュークリア・エナジーはこのほど、従来の原発に比べ小規模な「小型モジュール炉」をカナダで受注した。小島氏は技術的な協力や研究を続ける半面、日立が主導して建設に乗り出すことには否定的な見解を示した。
小島氏は「原発が主力電源として信頼されるようになるには、いくつかの技術的なブレークスルー(突破)が必要だ」と述べ、安全性などで課題が残ると指摘した。
【時事通信社】 〔写真説明〕報道各社のインタビューに答える日立製作所の小島啓二社長=8日午後、東京都千代田区
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