- 2021/12/31 掲載
中国製造業PMI、12月は50.3 予想外に上昇
12月の製造業PMIは50.3と、11月の50.1から上昇。アナリストは景況改善・悪化の分岐点である50への低下を予想していた。
中国経済はコロナ禍による昨年の落ち込みから回復した後、初夏以降は製造業の減速や不動産部門の債務問題、小規模なコロナ感染拡大などを受けて失速している。
12月の製造業PMIは新規受注指数が49.7と、11月の49.4からやや改善したものの、依然として50を下回った。
新規輸出受注指数は48.1で、11月の48.5から低下。外需の不安定さが示された。
生産指数は51.4と、50を上回る水準を維持したが、11月の52.0からは低下した。
華興資本証券(チャイナ・ルネサンス・セキュリティーズ)のマクロ・戦略分析責任者、ブルース・パン氏は「企業への負担を軽減し、成長を確保し、リスクを抑え、減速を相殺するため、中小企業やハイテク、イノベーション企業、先進的製造業、グリーン産業の支援に向けた流動性措置や刺激策がさらに講じられると予想している」と述べた。
<経済への逆風強まる>
中国東部の浙江省では12月に小規模な新型コロナ流行が見られ、その後感染は落ち着いたが、一部の企業は生産休止を強いられた。
北西部の陝西省西安市では感染拡大が続く中、都市封鎖が行われており、韓国のサムスン電子や米マイクロン・テクノロジーは同地域の半導体製造拠点に影響が生じる可能性があるとしている。
12月の非製造業PMIは52.7と、11月の52.3から小幅に上昇した。
製造業と非製造業を合わせた総合PMIは52.2で、11月から横ばいだった。
中国の国内総生産(GDP)は第3・四半期は前年比4.9%増となり、伸び率は第2・四半期の7.9%から減速、ロイターがまとめた市場予想(5.2%)以上に鈍化した。アナリストは、第4・四半期の成長率が一段と低下するとみている。
経済への逆風が強まる中、中国人民銀行(中央銀行)は成長の安定化と、企業の資金調達コストの低下を目指しており、金融政策を来年も柔軟に運用する方針を示している。
任鴻斌商務次官は30日、競合国の生産能力が新型コロナの影響から回復し、中国の輸出との競争が激化している現状を踏まえ、来年の貿易を安定させるには「かつてない」困難が伴うとの認識を示した。
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