- 2022/01/05 掲載
OPECプラスの増産継続、余剰懸念やオミクロンリスクの後退映す
OPECプラスは4日に開いた会合で、2月も日量40万バレルを増産すると決めた。
会合で参加国の閣僚や当局者らは、OPECプラスの内部データを検証。ロイターが会合前に確認したところ、1月は日量80万バレルの供給超過、2月は130万バレルの供給超過になるとの見通しが記されていた。
余剰が出ることに変わりはないが、当初懸念されていたよりもかなり小幅にとどまる。12月時点の内部データでは1月が日量200万バレル、2月は300万バレルの供給超過との見通しが示されていた。
あるOPECプラス会合参加者は「前回予測から見通しは改善した」と指摘。「在庫は減少している」とした。
他の参加者は予測の修正が、新型コロナウイルス・オミクロン株が需要に与える影響は軽微というOPECプラスの見解や、一部産油国が生産能力の制約で増産できず、実際の増産幅が小さくとどまるという見通しを反映していると指摘した。
オミクロン株の影響が軽微という点では、市場の見解も一致しているようだ。原油先物は1バレル=80ドルの水準を取り戻しており、最初にオミクロン株に関する報道が出た11月26日に原油先物が10%超急落する前の水準をほぼ回復している。
ライスタッド・エナジーのビョルナー・トンハウゲン氏は「オミクロン株のリスクは現時点で、リスクでしかない。ロックダウンによる深刻な影響は見込まれておらず、1月、2月と市場の需給バランスはやや引き締まった状態が続き、原油価格を引き続き支援する見通しだ」と述べた。
ロシアのノバク副首相は、4日のOPECプラス会合後に「ロシア24」のテレビ番組に電話で出演し、オミクロン株の感染拡大に関して不透明感があるとOPECプラスは認識しているが「観察や分析によると、感染力は強いが、入院者数の水準は相当低く、需要減退の影響は出ていない」と指摘した。
関係筋によると、OPECプラスは市場にこれまで示したガイダンスを堅持することにもこだわったという。ロシア代表団を率いるノバク氏は昨年12月にガイダンス維持の重要性を強調していた。
この日の協議は2時間弱で終了し、問題も生じなかったという。
あるOPECプラス筋は「われわれには安定性が必要だ。1年を円滑にスタートできて喜ばしい」と語った。
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