- 2022/01/21 掲載
地銀、システム連携加速=次世代金融で生き残り模索
地方銀行で、システム開発や運用で他行との連携を強化する動きが加速している。福島銀行は20日、SBIホールディングスが開発中の基幹システムを2024年稼働に向けて導入すると発表した。低金利や人口減少など地銀を取り巻く環境が厳しさを増す中、システム連携により「次世代金融」への取り組みを急ぎ、生き残りを模索する。
地銀のシステム連携をめぐっては、NTTデータのシステムを採用する横浜銀行や京都銀行など18行が昨年11月、ワーキンググループを設置し、基幹システムの運用効率化やアプリケーションの相互利用の検討を進めている。千葉銀行など10行が参加する広域連合「TSUBASAアライアンス」でも、5行が日本IBMのシステムの共同利用を決めた。
各行が連携を強める背景には、システムコストの負担の重さがある。金融庁のリポートによると、人件費などを含めた地銀のシステム関連費用は平均で年49億円に上り収益を圧迫。さらに今後は、既存システムの老朽化に伴い、障害の多発や維持費の一段の増加も懸念される。
一方で、デジタル技術を駆使したIT企業など異業種との競争も激化。地銀は、コストを抑えながら次世代金融に対応するためのシステム構築が求められている。
この中で導入に向けた動きが活発化してきたのが、インターネット上でデータなどを管理する「クラウド」を活用したシステム。北国銀行は昨年、地銀で初めて基幹システムのクラウド化に乗り出した。SBIのシステムもクラウドを活用しており、福島銀を第1弾として30年度までに10行程度の採用を目指している。
【時事通信社】
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