- 2022/04/05 掲載
新興国企業のデフォルト警告、金融危機後で最悪に=JPモルガン
新興市場全体のデフォルト率は8.5%に達したと推計し、これはウクライナ侵攻前の年初予想の3.9%の2倍を超える。
リスクが比較的高い「ハイ・イールド」の新興市場企業の国際市場債券は取引額が1660億ドルに膨らみ、世界金融危機でデフォルト率が10.5%に上昇した2009年以来の高水準に達していた。現在は大幅に下落した。
欧州東部でのデフォルト率は21.1%の記録的水準となると予測。ウクライナ、ロシアがそれぞれ98.8%、27.3%と予測。ウクライナ侵攻と西側諸国の前例のない制裁措置により、企業活動が困難になっていることが背景にある。
ウクライナの企業は侵攻が始まって以来、投資家に対して頻繁に最新情報を提供している。どの企業も輸出が混乱し、収益確保と回収が壊滅的という似たような経営状況を示している。
一方、中国の不動産部門の不振が響き、アジアのデフォルト率予測が7%から10%に引き上げられた。
中国の29のデベロッパーにより、2022年は320億ドル相当のデフォルトが発生すると予想。不動産部門のデフォルト率は31%という高水準になり、昨年の26社による490億ドル相当のデフォルトと合算すると、中国のハイ・イールド不動産債券の半分がデフォルトに陥ることになる。
JPモルガンのアナリストらは「昨年記録した30%のデフォルト率と合わせると、この部門の半分超が壊滅する恐れがある」と指摘。また、「政府は住宅政策を徐々に緩和しているが、一部の弱小デベロッパーは既に臨界点を超えている」との見方を示した。
こうした特殊な状況を除けば、他の新興市場のハイ・イールド社債のデフォルト率は1.1%にとどまると予想した。
中南米のデフォルト率は3%未満、中東とアフリカでは1%未満と予想。米国、欧州はそれぞれ0.75%、 1.50%になるとの見通しを示した。
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