• 2022/04/05 掲載

正常化議論、続く封印=「悪い円安」に懸念―日銀異次元緩和9年

時事通信社

  • icon-mail
  • icon-print
  • icon-hatena
  • icon-line
  • icon-close-snsbtns
会員になると、いいね!でマイページに保存できます。


日銀が国債を大量に購入して資金供給する「異次元」の金融緩和を開始してから4日で9年。インフレが進行する欧米は金融政策の引き締めに動く一方、日銀は正常化に向けた議論を封印した状況が続く。政官財に染み付いた「円高恐怖症」は薄れ、逆に内外金利差の拡大が原油などの輸入価格をさらに押し上げる「悪い円安」への懸念が拡大。大規模緩和を取り巻く環境は大きく変化した。

「利上げの必要はまったくないし、金利差が拡大したら直ちに円安になることもない」。日銀の黒田東彦総裁は3月18日の記者会見で、欧米に追随した利上げを否定。物価を押し上げる円安進行についても「経済にプラスに作用している構図に変わりはない」と釈明に追われた。

黒田総裁が2013年に大規模緩和に踏み切った大きな要因は円高対策だ。円相場は11年秋、戦後最高値となる1ドル=75円台まで上昇。デフレの元凶である円高を放置し、輸出企業を中心に国内経済に打撃を与えたとして、当時の日銀の金融政策に批判が集中したという経緯がある。

異次元緩和の後も、黒田総裁は2%の物価目標の実現を目指し、マイナス金利政策や長期金利を0%に操作する異例の緩和策を繰り出してきた。先月には、長期金利の上昇を抑えるため、国債を特定の利回りで無制限に複数日にわたり買い入れる「連続指し値オペ」を初めて実施。円相場は海外市場で一時125円台まで円安が加速した。

しかし、円安となっても、企業の海外展開が進んだため、輸出の押し上げ効果は限定的。コロナ禍でインバウンド需要も見込めず、恩恵を感じにくくなっている。

さらに、ロシアがウクライナを侵攻する中、経済界からは、円安に関し「国力の弱さや、地政学的危機での強靱(きょうじん)性の低さが背景にあるとすれば、慢性的に悪い影響が及ぶ可能性がある」(桜田謙悟経済同友会代表幹事)と警戒する声も出始めた。

【時事通信社】

評価する

いいね!でぜひ著者を応援してください

  • 0

会員になると、いいね!でマイページに保存できます。

共有する

  • 0

  • 0

  • 0

  • 0

  • 0

  • 0

  • icon-mail
  • icon-print
  • icon-hatena
  • icon-line
関連タグ タグをフォローすると最新情報が表示されます
あなたの投稿

    PR

    PR

    PR

処理に失敗しました

人気のタグ

投稿したコメントを
削除しますか?

あなたの投稿コメント編集

機能制限のお知らせ

現在、コメントの違反報告があったため一部機能が利用できなくなっています。

そのため、この機能はご利用いただけません。
詳しくはこちらにお問い合わせください。

通報

このコメントについて、
問題の詳細をお知らせください。

ビジネス+ITルール違反についてはこちらをご覧ください。

通報

報告が完了しました

コメントを投稿することにより自身の基本情報
本メディアサイトに公開されます

必要な会員情報が不足しています。

必要な会員情報をすべてご登録いただくまでは、以下のサービスがご利用いただけません。

  • 記事閲覧数の制限なし

  • [お気に入り]ボタンでの記事取り置き

  • タグフォロー

  • おすすめコンテンツの表示

詳細情報を入力して
会員限定機能を使いこなしましょう!

詳細はこちら 詳細情報の入力へ進む
報告が完了しました

」さんのブロックを解除しますか?

ブロックを解除するとお互いにフォローすることができるようになります。

ブロック

さんはあなたをフォローしたりあなたのコメントにいいねできなくなります。また、さんからの通知は表示されなくなります。

さんをブロックしますか?

ブロック

ブロックが完了しました

ブロック解除

ブロック解除が完了しました

機能制限のお知らせ

現在、コメントの違反報告があったため一部機能が利用できなくなっています。

そのため、この機能はご利用いただけません。
詳しくはこちらにお問い合わせください。

ユーザーをフォローすることにより自身の基本情報
お相手に公開されます