- 2022/04/29 掲載
電力大手、5社が赤字転落=燃料高が直撃―22年3月期
電力大手10社の2022年3月期連結決算が28日、出そろった。火力発電所で使う液化天然ガス(LNG)や石炭の価格高騰が業績を直撃。燃料費負担の大幅な増加で各社の決算は軒並み悪化し、純損益は10社中5社が赤字に転落した。
電力会社は、燃料費の上昇分を電気代に遅れて転嫁する「燃料費調整制度」を採用している。燃料費の急激な上昇で、各社とも負担が一時的に増加した。
このうち、中国電力は過去最大となる397億円の赤字を計上。東北電力は燃料費高騰に加え、3月に発生した福島県沖地震の影響による火力発電所の停止が響き、過去2番目の規模となる1083億円の赤字となった。
黒字の5社も軒並み大幅な減益となった。東京電力ホールディングスの小早川智明社長は同日の記者会見で「燃料費の高騰で計画より大きく悪化した。非常に厳しい決算だった」と総括した。
ロシアのウクライナ侵攻の影響で、石炭やLNGの価格高騰は長期化する見通し。22年3月期に黒字を確保した関西電力も23年3月期は赤字転落を見込んでおり、他の9社は業績予想の開示を見送った。各社とも「あらゆる局面で燃料価格高騰の影響を受ける1年になる」(関西電力の森本孝社長)と警戒している。
【時事通信社】
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