- 2022/05/02 掲載
アレルギーでも同じ食事を=進化する対応商品・サービス
食物アレルギーがある人でも家族や友人と同じ食事を楽しめるようにする商品やサービスが進化している。記念日に宅配するオーダーメードのコース料理キットや、植物性原料で作った卵風食品などが登場。家庭でアレルギーに対応した食事を作る負担を軽くするための工夫が広がっている。
京セラが昨年10月に始めたのは、誕生日などにごちそうを簡単に料理できる食材キットを届けるサービス。メニューはアレルギーや好みを聞き取って決める。基本コースは1人6800円(小学生までの子どもは3200円、送料別)で、これまでに約120組が利用した。作る過程も楽しめるようケーキの飾り付けなどは注文した客が仕上げる。
このサービスは、社会課題の解決を目指す社内アイデア募集で選ばれた新規事業の第1弾。本格展開に向け、5月半ばから一品料理やスイーツのオンライン販売も始める。担当者の谷美那子さんは「植物性食材の普及などで、代替食品の選択肢が増えている」と話す。
国立成育医療研究センター(東京)によると、国内で食物アレルギーがある人のうち、4割近くは鶏卵が原因で、卵料理は食べたくても食べられない代表格だ。キユーピーが昨年、植物性原料で作った卵風の商品「HOBOTAMA(ほぼたま)」を業務用に発売すると、消費者からの問い合わせが相次いだ。反響を受け今年3月から一般向けに通信販売を開始。現在は首都圏の一部限定だが、今後販売エリアを広げる計画だ。
食物アレルギー対応に関する総合サイトを立ち上げた食品メーカーもある。日本ハムは約25年前からウインナーなどで食物アレルギー対応食品を製造しているが、取り扱う小売店は限られる。そこで、「どこに住んでいても商品を買いやすくしたい」(担当者)と2月にサイトを開設。専門家監修の情報や無料の栄養相談、通信販売などを順次一元化した。今春には温めるだけで手軽に食べられるソース入りパスタを発売。手軽に味わえる商品を増やす方針だ。
【時事通信社】 〔写真説明〕京セラのアレルギー対応の食材キットで料理する子どもたち(同社提供) 〔写真説明〕京セラのアレルギー対応の食材キットを利用する家庭(同社提供) 〔写真説明〕キユーピーが販売する植物性原料を使った卵風の食品「HOBOTAMA(ほぼたま)」=4月26日午後、千葉市
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