- 2022/10/28 掲載
米GDP、第3四半期は2.6%増 貿易赤字縮小が寄与も需要鈍化
[ワシントン 27日 ロイター] - 米商務省が27日発表した2022年第3・四半期の実質国内総生産(GDP)速報値は年率換算で前期より2.6%増えた。貿易赤字の大幅な縮小が全体を押し上げた。ロイターがまとめたエコノミスト予想は2.4%増だった。
一方、米連邦準備理事会(FRB)の積極的な利上げで個人消費は抑制され、実際の経済の健全性は示された数値を下回っている。米経済活動の3分の2超を占める個人消費の伸びは1.4%増と、増加率は第2・四半期の2.0%から鈍化した。
第3・四半期GDP成長率のエコノミスト予想は0.8─3.7%まで幅があった。
BMOキャピタル・マーケッツ(トロント)のシニア・エコノミスト、サル・グアティエリ氏は「輝かしい見出しだが、中身を見れば米経済のより深刻な状況が示されている。失速は明らかだ」と指摘。「過去および将来のFRBによる利上げの影響はまだ完全に現れておらず、米経済は来年上半期に緩やかに悪化するだろう」と述べた。
第2・四半期のGDPは0.6%減で、2四半期連続のマイナス成長だった。2四半期連続のマイナス成長はテクニカルリセッションの定義とされるため、景気後退入りが懸念されていた。
第3・四半期の貿易赤字が縮小した一因は、需要の鈍化を背景に輸入が減少したため。輸出はおおむね増えた。貿易赤字の縮小によりGDP成長率は2.77%ポイント押し上げられた。
22年上半期のGDPがマイナス成長になったのは、貿易と在庫の変化が激しかったことが背景にある。
貿易、在庫、政府支出を除く民間国内最終消費は0.1%増と前四半期の0.5%増から鈍化し、伸びは2020年第2・四半期以来の低水準となった。借り入れコストの上昇が需要減退につながり始めていることを示唆した。
物価調整後の家計の可処分所得は1.7%増。前四半期は1.5%減少していた。
FRBが物価の目安として注目するコア個人消費支出(PCE)価格指数は4.5%上昇。前四半期は4.7%上昇だった。
在庫はなお成長の足を引っ張っており、エコノミストは売れ残り商品の在庫増がリセッション(景気後退)の引き金になると懸念している。
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